人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

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2013年2月20日

雇用の大切さ(ビジネスサプリメント536号)

昨年は自殺者が3万人を下回り2万7千人強となったようだがまだまだ多い。以前に

新聞紙上に自殺を「本気で考えた」人が20%以上と言うショッキングな記事が掲載

されていたのを記憶している。内容は大人の4人に1人は自殺を考えたことがあり、

20人に1人はそれが1年以内のことだったと言う内閣府の調査であった。また自殺者

数が多いのは中高年だけではなく、若い世代への対策も重要と指摘していたのが

怖い。20歳以上の3千人にアンケートし、2017人が回答されたらしいが「本気で自殺

をしたいと思ったことがある」と答えたのは23%、各年代で自殺を考えたことがある

人の割合は、20代が28%、40代は27%、50代は26%、「最近1年以内」に自殺を考え

た人は5%、20代では10%とある、びっくりしたのは20代の高さは異常ではないか。こ

れは最近の若い人達の雇用状況が影響しているかもしれない。働きたくても働く職場

がない、全国の非正規社員は1800万人弱と言われているが、このうち15歳から34歳の

若者の非正規社員は400万人を上回ると聞く。若者の半数は懸命に働いても満足な

収入が得られず、契約社員等の不安定な位置づけに問題があるのではないだろうか。

私も阪神淡路大震災時に非正規社員の雇い止めをせざるを得ず、雇用側の直接担当

者になってしまったことがあったが、お互いに誠に辛い不幸な出来事に直面したことが

あり、「雇用」の大切さを身をもって感じた。アメリカ連邦準備理事会は2012年12月に

失業率が6.5%程度に下落するまで事実上のゼロ金利政策を決めたようだ。日本も何

とか若者の雇用環境の改善を望みたいと思う。卒業しても就職先がないのは誠に不幸

なことである。また全回答者のうち43%が悩みを抱えた時に誰かに相談したり、助けを

求めたりすることにためらいを感じているとある。自殺を考える人が多いのに、支援を

求める人が少ない現実に驚く。メンタルヘルス対策が叫ばれて久しいが一向に改善の

兆しが見えないのも実態であろう。「ストレス耐性が弱い人は仕方がない」と言う切捨て

論があるのも怖い。人は資産であり、決してコストではない。悩んでいる人の信号を見

つけようと言うことも大事だが、所詮モグラたたきのような気もする。最も大切なことは

若い人の雇用が確保され、お互いに相手に関わる心、即ち関心を持ち、何時でも何処

でも「気楽にまじめな話が出来る風土づくり」が一番大切ではないだろうか。

2013/02/20 08:14 | | コメント (1)

2013年2月 9日

なでしこ管理職(ビジネスサプリメント535号)

以前ある組織体で個人別ヒアリングをした時のことである。1人の女性ベテラン社員

がおられたが、彼女曰く「今の組織はやはり男性社会、我々が意見を言うような雰

囲気ではない」と言われた。そして「私達は役割だけを言われた通り正確にしておけ

ば良い」とも言われるではないか。いろいろとお話をしていると、その方は仲間の信

頼感も厚くお仕事の正確さも抜群、キャリアも豊富で周りの空気もよく読める。何故

そのような思い込みになられたのか、ゆっくりと聴いてみると以前の企業では上司

を巻き込んで、喧々諤々と議論をして非常にやりがいがあったらしい、そして自分た

ちの意見をどんどん取り入れてもらえるようで毎日が楽しく「達成感」があったとの

こと。しかし今の組織体に変わってからは指示命令のみで話しあうような雰囲気で

はなく、言えば「何を言っているのか?」と言う雰囲気らしい。今日本は「増えぬなで

しこ管理職」が大きな問題になっている。何と管理職になる女性は12%程度どまりで

30%を超える欧米との差は埋まらないと言う。IMFのラガルド専務理事は「日本は

未活用のよく教育された女性労働力と言う潜在成長力がある」と述べられ、「女性

の活躍」が日本経済成長のカギと言い切っておられた。この方はもう割り切ってマ

イペースで仕事を進めるのがベストと思い込まれていたのである。誠に残念なお

話ではないか。まさに「気楽にまじめな話が出来る風土」ではなかったし、組織も

縦割りで横串もなかった。彼女は決して管理職が嫌ではなかったようである。今ま

でに彼女のいろいろなていあんを受け入れておられたら、生産性ももっと上がった

のではないだろうか。以前お手伝いしている企業様で現場女性パートの方達の

意見を取り入れて成果を出されている事例をご紹介したが、組織と言うものは人

が足りないではなく、ヤル気を喚起して活かしていないことが多いのではないだ

ろうか。おそらく上席の方々は「内向き・上向き・箱文化」で外向き、下向きになっ

ていないから分からないのであろう。そしてお互いに勝手な思い込みや決め付け

があるのだ。男性管理職の旧態依然とした考え方ではもう世の中は通用しない。

仕事が出来る女性に活躍の場を与えて欲しいものだし、韓国では管理職の女性

比率が目標を下回る企業に改善策づくりを義務づける法律があるそうだ。育児

支援など課題をクリアして女性の活躍が経済成長のカギとなって欲しいと思う

この頃である。

2013/02/09 15:53 |

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