人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

« 2012年12月 | メイン | 2013年2月 »

2013年1月30日

楽しい研修(ビジネスサプリメント534号)

ご支援している企業の2回目のリーダー1日研修を行った。もちろんノウハウ

(どうするのか)ではなくノウファイ(なぜするのか)に重点を置いた研修で

ある。まずトップがリーダーに「経営者意識」をもって欲しいと言う熱い思いを

語ってもらった。そしてそれを受けてリーダーとして「プロ」になり「自立マイ

ンドの醸成」の重要性を考え、そのためには「何故そうしなければいけないの

か?」「そのためには自分たちはこのようにしたい!」と皆で話し合っていただ

いたのである。班別に分かれた時は、もう自然にリーダーが決まっており、

「ワイワイ・ガヤガヤ」の活発な話し合いが始まった。お互いに良い意味で指摘

しあっている。グループ発表と言う形はとらず、精神論や抽象的な言葉ではなく

各自3分で「自分はこれからどうしたいのか」を発表する。「さぁ誰から?」と

私が言うと、驚いたことに半分以上の方々が手を挙げられるではないか、公平に

順番を決めて発表、2分半でベルがなるが、殆どの方は時間通りに力強い発表が

続いた。やや抽象的な部分は発表後に他の人達がコメントや質問する、そしてそれ

に対して答えると言う理想的な形で進んだ。そして整理されたことが「明日からの

自分の行動目標」として、全員にも共有されるのだ。研修途中に若くして起業した

人のお話を聴く時間もつくったのであるが、実践経験でありかなりのインパクトが

あった。続いて「お互いの部門間のコミュニケーションを良くするために?」と

言うテーマで話し合ってもらったが、「発信力が足りない」となり、そのための

意識喚起と仕組みづくりを考えてもらった。そして明日からどれだけ実践できる

のかを検証する機会もつくることになった。最後にはお互いにペアになってもら

い「相手の良い部分を褒めあってもらう」と言う場面も作った。人間は悪い部分に

とらわれて、良い部分を見ようとしないものである。ある新聞に「褒めて商売

繁盛」と言う記事があったが、褒める言葉を「コンプリメント」と言うそうだ。

実際に行ってみるとみんな笑顔であり、ニコニコされている。参加者から研修を

見ておられるトップとナンバー2の方々にもやって欲しいとのリクエストがあり、

お二方にもやっていただくと言うハプニングもあった。1日であったが参加者の

方々はあっと言う間に時間が過ぎたようだ。この研修で感じたが参加者には全く

「やらされ感」はなく、何か楽しんでおられる。このような研修こそ継続して

取り組み、各人が自分の目標をポジティブに捉えて実践に結び付けて欲しい

ものである。

2013/01/30 16:22 |

2013年1月20日

OKYからISKへ(ビジネスサプリメント533号)

日経新聞元旦号の一面に「OKYって何だか分かりますか?」と言う文言があった。

私は何だがさっぱり分からなかったが、「OKYとは お前(O)ここで(K)

やってみろ(Y)」の略らしい。上手く表現されていたので私には衝撃的な3文字

だった。そう現場の人達は少なからず上司の指示や命令に対して「やらされ感」

を持っており「そのように言うあなた!じぁあなたが現場でやってみたら!」と

思っているのではないだろうか。実は私も現場にいる時はそのような思いをした

ときが度々あったし、指示する立場になったときは、逆にメンバーに「やらされ感」

を持たれていたかもしれない。山本五十六連合艦隊司令長官の「やってみせて、

言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」と言う言葉もよく

使われる。

前職時代に管理職の方々に「もう前年踏襲は止めよう」と具体的な事例でお話した

ことがあった。その後売場を巡回していると、ベテラン女性販売員から、最近何か

管理職に「前年踏襲を止めようと言われたのですか?」と質問されたのである。

そこで私は「確かにお話したよ」と伝えると「やはり!」と言われるではないか。

そのベテラン女性に詳しく事情を聞いたら、管理職は早速朝礼で「もう時代は変わ

った、今までと同じような商品や、同じような売り方では売れない、皆が一工夫

して前年踏襲は止めていこう!」と言われたらしい。彼女はその言葉を聞いて凄く

モチベーションが落ちたと言うではないか。要はその管理職に本質を咀嚼する力が

ないのであった。彼女の売場は女性服の売場であり、管理職は商品の仕入れはする

が、実際に売ることは少ないらしい。そして彼女は「売っているのは私達なのだ、

前年と同じようなやり方では売れないのは、誰よりも我々が分かっている!」と

言う。まさにその通り、そこで彼女に「どのようにして欲しいのか?」と尋ねると、

「抽象的な発言ではなく、一緒(I)になって真剣(S)に考えて(K)欲しい」

と言われる。そう「お前、ここで、やってみろ」と心のどこかで思っていたに違い

ない。私はその話を聞いて再び管理職を集め「掛け声ではなく現場目線を大切に

して、現場の人達と一緒に具体的な方法を考えることこそ大切なのだ」と強く示唆

したことがあった。

2013/01/20 13:20 | | コメント (1)

2013年1月10日

気づいたリーダー(ビジネスサプリメント532号)

あるお手伝いしていた企業のリーダーから久しぶりにメールでお便りをいただ

いた。彼曰く「最近はメンバーと非常にコミュニケーションが良くとれて職場

の風土も凄く変わりました」と言う嬉しい内容であった。

そう!このリーダーは物事をかなり強引に決めつけて、あまり人の良い点を見ず

に、重箱の隅をつつくようなところがあった人だった。もちろん仕事には自信を

持っていたので、かなりの成果は出しておられたが、如何せんメンバーからは口

が悪い、自信過剰との声が多かったのである。私とも何回かヒアリングを重ねた

のであるが、人を観察する眼は鋭いものがあった。そこで「あなたは良く人を観

ているが、その人の欠点ばかりを決め付けて責めてはいないだろうか?」「その

人の良い点を観たことがあるのだろうか?」「自分の考え方を一方的に言って、

人の意見をゆっくりと聴こうとしていないだろうか?」と問いかけた。最初は

「そんなことはありません」との拒否反応ばかり、焦らずに何回か事例を挙げて

それとなく気づかせていったのであるが、彼も自分では指摘したことを認めなが

ら、スタンスを変えたくない様子であった。一般的には気づきにはかなりの時間

がかかるものだ。その後、彼はある時、問題があるメンバーに対して、その問題

点をズバリ指摘するのではなく、メンバーが気づかない良い点を褒めたことがあ

ったのだ。そうするとそのメンバーから彼に良く声がかかるようになり、メンバ

ーからの相談事が増えてきたらしい。そう以前の彼は人の話を必ず「否定」から

入っていたのであるが、その時は思い切って「肯定」から入りお互いの距離感が

凄く縮まることを実感したらしい。そしてサブリーダーにも「マネジメントで一番

大事なことは、メンバーの話をゆっくり聴きだすこと」とアドバイスしたとのこと。

人間は意識では理解していても、行動にはなかなか出ないものだが、何か実践で身

をもって感じると「気づき」が出てきて行動も変わるものなのだ。このリーダーは

人物観察が良く出来る人であり、メンバーの良い点を見つけ出して、欠点をカイゼ

ンさせたのである。先日そのリーダーとお話すると、他のメンバーに対しても同じ

ように接することが出来てきたと喜んでおられた。久しぶりにお目にかかったが、

何時も厳しいお顔だった彼が、穏やかな表情になっていたのには驚いた。

2013/01/10 21:51 | | コメント (1)

2013年1月 1日

新年を迎えました(ビジネスサプリメント531号)


みなさまあけましておめでとうございます。

今年は「巳(み)年」、

蛇は「脱皮」し生命力のある生物でもあります。

脱皮とは昆虫類や爬虫類などが、成長のため古くなった外皮を脱ぎ

捨てることを言います。

我々も今までの思いや行いを考え直し、新しく脱皮していかないと

いけない年かもしれません。

私は過去多くの失敗をしてきましたが、成功した時よりも失敗した

した時に多くのことを学んだように感じます。

振り返ると今までと同じような考え方や、やり方を繰り返すと結果は

出なかったのです。

16年前にアサヒビールの会長だった故樋口広太郎氏が上梓された

「前例がない。だからやる!」を思い出します。

今こそ過去に囚われず古い考え方から抜け出して、新しい方向に進む

ことが大切になってくるのではないでしょうか。

どうかみなさまにとって良い年でありますように!

2013/01/01 00:04 |

お問い合わせ