日経新聞元旦号の一面に「OKYって何だか分かりますか?」と言う文言があった。
私は何だがさっぱり分からなかったが、「OKYとは お前(O)ここで(K)
やってみろ(Y)」の略らしい。上手く表現されていたので私には衝撃的な3文字
だった。そう現場の人達は少なからず上司の指示や命令に対して「やらされ感」
を持っており「そのように言うあなた!じぁあなたが現場でやってみたら!」と
思っているのではないだろうか。実は私も現場にいる時はそのような思いをした
ときが度々あったし、指示する立場になったときは、逆にメンバーに「やらされ感」
を持たれていたかもしれない。山本五十六連合艦隊司令長官の「やってみせて、
言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」と言う言葉もよく
使われる。
前職時代に管理職の方々に「もう前年踏襲は止めよう」と具体的な事例でお話した
ことがあった。その後売場を巡回していると、ベテラン女性販売員から、最近何か
管理職に「前年踏襲を止めようと言われたのですか?」と質問されたのである。
そこで私は「確かにお話したよ」と伝えると「やはり!」と言われるではないか。
そのベテラン女性に詳しく事情を聞いたら、管理職は早速朝礼で「もう時代は変わ
った、今までと同じような商品や、同じような売り方では売れない、皆が一工夫
して前年踏襲は止めていこう!」と言われたらしい。彼女はその言葉を聞いて凄く
モチベーションが落ちたと言うではないか。要はその管理職に本質を咀嚼する力が
ないのであった。彼女の売場は女性服の売場であり、管理職は商品の仕入れはする
が、実際に売ることは少ないらしい。そして彼女は「売っているのは私達なのだ、
前年と同じようなやり方では売れないのは、誰よりも我々が分かっている!」と
言う。まさにその通り、そこで彼女に「どのようにして欲しいのか?」と尋ねると、
「抽象的な発言ではなく、一緒(I)になって真剣(S)に考えて(K)欲しい」
と言われる。そう「お前、ここで、やってみろ」と心のどこかで思っていたに違い
ない。私はその話を聞いて再び管理職を集め「掛け声ではなく現場目線を大切に
して、現場の人達と一緒に具体的な方法を考えることこそ大切なのだ」と強く示唆
したことがあった。
コメント
2013/01/20 13:20
R・M
OKY確かに思いますね…。
私も知らない言葉なので、面白く感じました。
また仕事以外の日常でも、色々なことに対して、そのように思われてしまいそうな事を自分で言ってしまっているように思います。
自分の思いばかり主張しても、地についていないといいますか、事態は何も変わらないのですね。