人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

« 2009年7月 | メイン | 2009年9月 »

2009年8月23日

ジョハリの窓(ビジネスサプリメント381号)

人間は自分のことは自分が一番よく分かっていると思いがちだが、

周りの人の方が的確に見ているものだし相応の評価をしているものだ。

コミュニケーションの促進要因として、また新しい自分発見の要因と

してのジョハリの窓を考えて見たい。自分の意識の中で横軸には自分が

分かっている部分、分かっていない部分、縦軸に他人が(自分を)

分かっている部分、分かっていない部分の2つの分類があるので、

これを掛け合わせると2×2のマトリックスが出来る。このマトリックスを

窓に見立ててジョハリの窓と言う。「ジョハリ」とはこれを考えた

ジョセフ・ルフトとハリー・インガムという二人の名前を組み合わせたのだ。

①自分が分かっている・他人が分かっている窓を明るい窓
②自分は分かっている・他人は分からない窓を隠された窓
③自分が分からない・他人が分かっている窓を盲点の窓
④自分が分からない・他人も分からない窓を未知の窓

の4つの窓がある。

コミュニケーションが活発に行われるのは明らかに①の場合なのである。

それ以外はなかなか真のコミュ二ケーションはとりづらいものだ。

したがってリーダーが部下の方達とコミュニケーションをとりやすくする

ためには、①の窓が大きいほど上手く話せるし、話す内容を信じてもらえる。

表裏のない自分を見せること、ホンネとタテマエを使い分けていては真の

コミュ二ケーションは難しい。型通りの話し合いで真の解決は生まれること

は極めて少ないことはいうまでもない。

今コミュニケーションで迷っている人は「盲点の窓」を開けて見よう、

上手く表現で出来ない人は「隠された窓」を開けて見よう、「未知の窓」

が開けば新しい自分発見が出来るかもしれない。全ての窓が明らかになれば

「その方の良い部分が更に伸びて、新しい自分発見」につながることを確信する。

2009/08/23 06:54 |

2009年8月16日

ユートピアはない(ビジネスサプリメント380号)

先日ある企業を退職された方からご連絡をいただいた。その方は30歳代後半

の方であり、前職での処遇面の不安から思い切って転職され、かなり好条件

だったようである。しかし転職して数ヶ月経っていろいろと悩みが増えてきた

とのこと、給与面では遥かに好条件であるが「ノルマ」が高く誠に厳しい毎日

だそうだ。また会社の方向性が面接時とは違い全く定まらないとのことであった。

そう!そんなにユートピアの世界はないのである。一番大事なのは自分を見失わ

ないこと、「自立マインド」を確立することしかない。

マイナス面ばかり見てしまうとどうしても負のスパイラルになってしまう。

その方にまずは3年間はやって見ること、そして「外部でも十分通用する

自分の力を付けること」に集中すること、即ち未知の体験なども全て自分の

ものにしていくパワーを持てば「ノルマ」なんて気にする必要はなくなる

のではないかと申し上げた。

他責ではなく「自責」で仕事を進めていくうちに自分の道が拓けてくるもの

なのだ。このまま、またまた転職されても絶対に上手くは行かないだろう。

5つの(あ)あきらめない・あわてない・あせらない・あなどらない・

あてにしないことが求められるのである。

真に追い込まれたら「自分が変わることしかない」し変われないのは「甘え」

であり、深刻になっていて「真剣」にはなっていない証拠。

私もいろいろと悩み多き毎日であるが、自分が変わらなければ

「周りは変わらない」と言うことを肝に銘じて仕事に取り組んでいる。

心身共に「健康」であり、生きがいを見つけ出せば「経済的にも少しは安定する」

のではないだろうか。

いや!世の中はそんなに甘くなく「働きたくても働けない人がどれだけ大勢

おられることか」を考えて見よう。失職の経験のある自分を振り返って見ると、

多少悩みがあっても「働ける幸せ」をもっと感じることが今一番必要なの

かもしれないと思う。

2009/08/16 08:44 |

2009年8月 9日

良い部分を見ていこう(ビジネスサプリメント379号)

あるセミナーで「いくら注意しても直らない人がいる、人事には

配置転換を要望しているがなかなか実現しない、どのようにしたら

良いのか」を教えて欲しいと言うご質問があった。現場を知らない

ので安易にお答えは出来ないとお話して「その方には良いところは

ありませんか?今までは悪い面が目に付きがちだったかも知れま

せんが、よい面を見て伸ばしてあげては如何でしょう?そうすると

自信が付いてくるものです、悪い面ばかりを指摘すると反発しか残り

ません」とお答えした。即ち成功体験を体感してもらうことが大切な

ことなのである。

あるメーカーさまで年配の社員の方が後輩の上司の言うことを聞いた

ふりはするが実践はしないと言うケースに出くわした。

その時に上司の方に「その方の良いところは?」とお尋ねしたら随分

考えられた後「機械修理は抜群なのです」と言われる、それでは

機械修理の場面が出来た時に実際に修理してもらって、上手く行けば

褒めてあげたらどうかとヒントを与えた。ある時実際にそのような場面が

あって修理してもらったら「抜群な出来」だったとか、それ以来その方は

「何でも言ってください、私の出来ることはやりますから」と言われた

そうだ。今までのネガティブなスタンスから様変わりしたのである。

そう!どうしても気になる面ばかりを指摘するから「またうるさく言って

いる、まぁ聞いているふりをしておこう」となるものだ。その方に関心を

持ち良い面を見ていこう。

イチロー選手のように「振り子打法」を直せと言って修正させていたら、

今のイチロー選手はなかっただろう。光る部分や他よりは優れている部分を

伸ばしてあげることにより、欠点が消えてしまうことがあるものなのだ。

部下育成の一つの方法であると思う。

2009/08/09 20:16 |

2009年8月 2日

励ましの声かけ(ビジネスサプリメント378号)

人から声をかけられて心の中に奥深く残るのは「どん底」の時ではない

だろうか。私自身を振り返って見ると、順境の時より逆境の時に言われた

言葉が忘れられない。順境の時は「甘言」も多いだろうし、聴く側の

スタンスも疑わしいことが多いが逆境の時、人と言うものは離れていき

ますます孤独になるものである。

私が以前どん底の時にある人から「深刻になりすぎている、したがって

マイナスばかりを考えてはいないだろうか?真剣に考えよう、そうすれば

道は必ず拓けるから」と言われたことを思いだした。今でも心しているし、

忘れることはない。

ややメンタルヘルス的に問題があれば「励まし」は禁物であり「あるがままに、

なすがままに」が一番の言葉であることは言うまでもない。

ある企業様で個人ヒアリングの前に、その会社のトップの方から「Aさんは

最近凄く頑張っている、良く褒めてください」と伝言された。そしてAさんに

そのことを申し上げると「たまたま売り上げが良かったからです、そうで

なければまた叱責されます(笑)」と言われるではないか。

その方とお話しているとトップは結果のみで判断して、プロセスなど見て

おられないとのこと。声をかけて欲しいのは売り上げが順調な時ではなく、

不調な時であり「最近厳しいが、何か困っていることはないか?」と同じ

ような目線で声をかけて欲しいと言われる。成果主義の崩壊が叫ばれて

久しいが、そのプロセスの検証や励ましがあってこそ成果に結実するもの

ではないだろうか。調子の良い人よりも、不調で苦しんでいる人に声かけを

してみてはどうだろうか?声をかけられた人は「私のことに関心を持って

もらっている」と感じるものだし、その一言から大きな「気づき」が生まれる

ものなのだ。上司が声をかけにくいとか、この人はダメだと思った時から

部下はどん底に陥ることが多いのも現実である。今一度言うが「人間はどん底

の時に声かけされた言葉は心の糧となる」ことを忘れてはならない。

2009/08/02 06:55 | | コメント (1)

2009年8月30日

評価の難しさ(ビジネスサプリメント382号)

虚妄の成果主義とか内側からみた成果主義の崩壊などが叫ばれて久しい。

本当に人の評価ほど難しいものはないと痛切に感じる。

元職場で人事担当の時に今まで非常に評価が低かった方が、上司の評価者が

変わった途端にトップの評価になっていたと言う事があった。

変わられた評価者にお伺いしたら、前任の評価者の見方と全く違う角度から

見ておられたのを記憶している。このように評価者の基準がバラバラでは

困るのである。いくら精緻で素晴らしい評価制度を構築しても、問題は

その運用次第と言っても言い過ぎではない。

「多面的に部下のことを見ているのか?」「部下を本当に育てようと言う

強い意思があるのか」が今多いに問われるのである。上司たるものは

「土砂降りの雨で車が故障した時に即座に駆けつけて修理してくれるJAFの

ような存在」でないと部下との信頼感は出て来ないものである。

ミッション・ビジョン・パッション(情熱)のない人は評価者にはなる

資格がない。思い込みや決め付けで接していると、部下もそのようになる

のである。

ある企業で上司の方とその部下の方との三者ヒアリングをした時、上司の

方が「自分で責任持って報告・連絡・相談してくれた仕事であれば、

例え失敗しても責めることはしないし、全責任は上司たる自分にある」

と宣言された。その時の部下の方のお顔を見ていると「安心したように

うなずいておられた」のが印象的だった。単に数字だけの結果や、

好き嫌いで評価していては成果には結びつかない。このような厳しい

世の中になっている現在、出来る時にタイムリーに人を活かすことしか

次の道はないのではないだろうか。

人間は「自分は誰かの役に立っている」「成長している実感がある」

「このままもっと頑張りたい」という気持ちを持った時に力を発揮するの

である。形式や制度はどのようなものであれ、その運用さえ間違えなければ

公平な評価につながるものだ。要は「制度に魂」を入れることに尽きる。

2009/08/30 07:04 |

お問い合わせ