あるセミナーで「いくら注意しても直らない人がいる、人事には
配置転換を要望しているがなかなか実現しない、どのようにしたら
良いのか」を教えて欲しいと言うご質問があった。現場を知らない
ので安易にお答えは出来ないとお話して「その方には良いところは
ありませんか?今までは悪い面が目に付きがちだったかも知れま
せんが、よい面を見て伸ばしてあげては如何でしょう?そうすると
自信が付いてくるものです、悪い面ばかりを指摘すると反発しか残り
ません」とお答えした。即ち成功体験を体感してもらうことが大切な
ことなのである。
あるメーカーさまで年配の社員の方が後輩の上司の言うことを聞いた
ふりはするが実践はしないと言うケースに出くわした。
その時に上司の方に「その方の良いところは?」とお尋ねしたら随分
考えられた後「機械修理は抜群なのです」と言われる、それでは
機械修理の場面が出来た時に実際に修理してもらって、上手く行けば
褒めてあげたらどうかとヒントを与えた。ある時実際にそのような場面が
あって修理してもらったら「抜群な出来」だったとか、それ以来その方は
「何でも言ってください、私の出来ることはやりますから」と言われた
そうだ。今までのネガティブなスタンスから様変わりしたのである。
そう!どうしても気になる面ばかりを指摘するから「またうるさく言って
いる、まぁ聞いているふりをしておこう」となるものだ。その方に関心を
持ち良い面を見ていこう。
イチロー選手のように「振り子打法」を直せと言って修正させていたら、
今のイチロー選手はなかっただろう。光る部分や他よりは優れている部分を
伸ばしてあげることにより、欠点が消えてしまうことがあるものなのだ。
部下育成の一つの方法であると思う。
2009/08/09 20:16