人から声をかけられて心の中に奥深く残るのは「どん底」の時ではない
だろうか。私自身を振り返って見ると、順境の時より逆境の時に言われた
言葉が忘れられない。順境の時は「甘言」も多いだろうし、聴く側の
スタンスも疑わしいことが多いが逆境の時、人と言うものは離れていき
ますます孤独になるものである。
私が以前どん底の時にある人から「深刻になりすぎている、したがって
マイナスばかりを考えてはいないだろうか?真剣に考えよう、そうすれば
道は必ず拓けるから」と言われたことを思いだした。今でも心しているし、
忘れることはない。
ややメンタルヘルス的に問題があれば「励まし」は禁物であり「あるがままに、
なすがままに」が一番の言葉であることは言うまでもない。
ある企業様で個人ヒアリングの前に、その会社のトップの方から「Aさんは
最近凄く頑張っている、良く褒めてください」と伝言された。そしてAさんに
そのことを申し上げると「たまたま売り上げが良かったからです、そうで
なければまた叱責されます(笑)」と言われるではないか。
その方とお話しているとトップは結果のみで判断して、プロセスなど見て
おられないとのこと。声をかけて欲しいのは売り上げが順調な時ではなく、
不調な時であり「最近厳しいが、何か困っていることはないか?」と同じ
ような目線で声をかけて欲しいと言われる。成果主義の崩壊が叫ばれて
久しいが、そのプロセスの検証や励ましがあってこそ成果に結実するもの
ではないだろうか。調子の良い人よりも、不調で苦しんでいる人に声かけを
してみてはどうだろうか?声をかけられた人は「私のことに関心を持って
もらっている」と感じるものだし、その一言から大きな「気づき」が生まれる
ものなのだ。上司が声をかけにくいとか、この人はダメだと思った時から
部下はどん底に陥ることが多いのも現実である。今一度言うが「人間はどん底
の時に声かけされた言葉は心の糧となる」ことを忘れてはならない。
コメント
2009/08/02 06:55
meg2008
逆境の時ほど,声がけがうれしい。
本当にそうですね。
ありがとうございます。