人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

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2012年8月16日

それぞれの道(ビジネスサプリメント516号)

先日、日経新聞のスポーツコラムにロンドンオリンピックについての面白い記事が

掲載されていた。コラムによると日本のスポーツ取材には「一夜明け会見」と言う

ものがあるらしい。一晩おいて整理した心情を記者会見で語ってもらうので、印象

深い2人のメダリストの言葉が紹介されていた。

1人はフェンシングの大田雄貴選手、北京の銀メダリストはロンドンの個人フルーレ

で金を目指したがその夢が砕けた、しかし団体戦では見事1秒の奇跡を起し銀メダル

を手に入れたのである。コラムでは彼の言葉から団体戦で感じた次世代への継承と

言う手応えを感じられたとある。彼は「少子化が進み、サッカー人気もあって野球

でさえ苦しんでいる、ならばフェンシングは、そこでしか食べられない味の豆腐屋

みたいな存在になれたらいい」と語ったとか。その後の身の振り方を踏まえての

発言であり、自分自身から次世代へのつなぎの言葉だったのである。そこでしか食

べられない豆腐屋の味は、ビジネスの世界でも言えることではないだろうか。

日本の社会はどんどんと高齢化しており、若い人達が少なくなってきている、今こそ

シニア世代が「技術の継承役」として、今まで培ってきたものを次世代に伝えてい

かなければならない。ビジネスの世界も個人戦から団体戦へシフトしていかないと、

世界では生き残れない時代となってきたように感じる。

2人目は女子レスリングで苦節を乗り越えた金メダリスト小原日登美選手、女子レス

リングは猛烈な練習を繰り返すらしい、小原選手は1回戦で右眼を腫らしていたが、

直前の練習が原因だったとか。彼女の戦い方を観戦していて気持ちが良かったのを

記憶している。彼女は「私は旦那が年下なので、私生活でも強気に出てしまうのです、

尻に敷いていたかも、食事も旦那任せ、これまで支えてもらった分、これからは一歩

下がってついていけたらいいなと思います」と語ったとある。ご主人もレスリング

選手で彼女のコーチを務められ、ご夫婦の金メダルだった。彼女は今大会限りの

引退を表明しているが、何だが爽やかではないか。専業主婦も兼業主婦も良いでは

ないか、それぞれに状況に応じて役割は変わってくるものだ。これからは働く女性

が大いに増えて欲しいものだが、小原選手のような生き方もまた素晴らしい。

それぞれの新しい道でまたまたメダルを獲得して欲しいと思う。

2012/08/16 09:12 |

2012年8月 6日

シニア時代を生きる(ビジネスサプリメント515号)

自営業や第一次産業に従事しておれば60歳代はまだまだ働き盛りであるが、一般

サラリーマンの方々は定年延長があっても65歳まででお役ごめんとなってしまう。

最近は69歳まで働ける企業も増えてきたようではあるが、数は少ない。但し

「老害」と呼ばれてはいけないのは言うまでもない。団塊の世代がいよいよ65歳に

なりつつある現在、生産労働人口が減っている状態では、女性の就業を増やして

いくか、シニアの活用を計っていかないといけない事態に直面していると言える。

先日の日経新聞のコラムにシニアは「教育」と「教養」が大事とあった。即ち

「今日行くところ」「今日用事がある」と言うことらしい。なるほど!と感心した。

晴れて引退して一時は趣味や娯楽に興じても、いずれ有り余る体力と気力を持て余

すことになるであろう。私の知人が65歳で引退し、念願の世界一周旅行を存分に

楽しんだ方がおられた。しかし1年もすればすることもなく、働きたいので仕事を

探したが全くない、鬱々とした毎日を過ごしていると言うではないか。またある方

は青春18切符を使い日本全国を回って楽しんでいると言う方もおられる。誠に

様々であるが、多くの方々は社会との関わり方を模索されておられるのではない

だろうか。また今の60歳代は団塊からその上の世代であり、高度成長期以降の

日本経済を支えてきたと言う自負を持つ反面、自分の子育てに十分な時間を割け

なかったケースも多い。私も土日・GW・お盆・正月はなかったのである。それ

だけに自らの世界にこもるのではなく、まだ社会でやれる、やり残しがあると言

う思いで、機会があればこれまでとは違う分野で社会に貢献して欲しいとも思う。

知り合いでも地域のボランティア活動や非営利組織(NPO)活動に従事して忙しく

充実した生活を送っておられる方もいる。今の閉塞した日本の社会を立て直し打破

していくには、現役の世代だけではなく、シニアの活動がもっと活発になっても

良いのではないだろうか。現役時代の仕事の枠を超えて知識や技能を社会に伝授

していく、街の活性化や整備に今までの知恵や調整力を活かすのも大いに結構な

ことだ。「今日行くところ」「今日用事がある」も大事ではあるが、何より

「健康」「生きがい」「経済」の3本柱でイキイキしたシニア時代を送りたい。

2012/08/06 14:24 |

2012年8月25日

当たり前のこと(ビジネスサプリメント517号)

最近ご支援している企業の中堅社員の方から「当たり前のことを、当たり前にすると

言うことが、如何に難しいかが分かりました」と言う発言があった。誠にその通り、

この言葉の重みを理解されたことは凄いと思う。これで思いついたのであるが、日経

新聞の「経営の視点」にオリンピックに学ぶ7つのヒントと題したコラムが掲載され

ており、「人と組織」に参考になるのでご紹介する。

第一は女子選手の活躍である、金メダルは女子4つに男子3つ、女子サッカーやバレー

ボールの活躍は誠に素晴らしかった。民間企業の部長相当職の女性比率は未だに約

5%にとどまるらしい。これからの女性の活躍が大いに期待される。第二は異能の

人材が光ったとある。女子柔道の鋭い眼光の松本薫選手や、どんな時でもマイペー

スで難局を打開する体操の内村航平選手などはその最たる方達である。企業も同じ

ような人材の集団は組織力が弱い、その中で如何に異色な人材が存在するのかが問

われるのではないだろうか。第三はグローバル人材の重要性で、外国でプレーした

経験のある選手の活躍が目立った。サムソン電子は新興国に社員を派遣して生活研

究から市場開拓に取り組み、数々の日本のメーカーを凌駕している。第四は絶えざ

る革新が欠かせないこと、即ち「イノベーション」が最も大切なのである。女子レ

スリングの吉田沙保里選手は連勝記録ストップから自分のスタイルを進化させて

見事金メダル3連覇させたのである。伊調馨選手もしかりで自分のやり方はこれだ

と決め付けることなく「変化」させることは企業経営においても凄く重要なことは

言うまでもない。変化をチャンスにつなげるのは「革新」しかない。第五は敗因を

とことん分析して、戦略を立て直して巻き返せとある。金メダルゼロに終わった

男子柔道の再建は「精神的な弱さ」だけではないだろう。長期の低落傾向からの

構造的な要因の脱却以外にはなく、「もっと根性を出して頑張ろう」だけでは解決

出来ない。精神論だけの世界はもろいものである。第六は自己満足に陥ってはなら

ない。金メダルは目標の半分に終わったが、メダル数の過去最高は素晴らしい成果

に違いない。しかし企業に置き換えれば、利益率が低いのに内部留保が厚いからと

言って満足しているようでは話にならないとある。第七は信賞必罰を忘れるなと

ある。必罰は選手ではなく指導者であり人心を一新して出直すべきはどうか。経営

トップの甘い企業にも同じことが言えるのではないか。以上ご紹介したが全て冒頭

の「当たり前のこと」がなされてこそ次のステップが見えてくる。

2012/08/25 09:25 |

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