自営業や第一次産業に従事しておれば60歳代はまだまだ働き盛りであるが、一般
サラリーマンの方々は定年延長があっても65歳まででお役ごめんとなってしまう。
最近は69歳まで働ける企業も増えてきたようではあるが、数は少ない。但し
「老害」と呼ばれてはいけないのは言うまでもない。団塊の世代がいよいよ65歳に
なりつつある現在、生産労働人口が減っている状態では、女性の就業を増やして
いくか、シニアの活用を計っていかないといけない事態に直面していると言える。
先日の日経新聞のコラムにシニアは「教育」と「教養」が大事とあった。即ち
「今日行くところ」「今日用事がある」と言うことらしい。なるほど!と感心した。
晴れて引退して一時は趣味や娯楽に興じても、いずれ有り余る体力と気力を持て余
すことになるであろう。私の知人が65歳で引退し、念願の世界一周旅行を存分に
楽しんだ方がおられた。しかし1年もすればすることもなく、働きたいので仕事を
探したが全くない、鬱々とした毎日を過ごしていると言うではないか。またある方
は青春18切符を使い日本全国を回って楽しんでいると言う方もおられる。誠に
様々であるが、多くの方々は社会との関わり方を模索されておられるのではない
だろうか。また今の60歳代は団塊からその上の世代であり、高度成長期以降の
日本経済を支えてきたと言う自負を持つ反面、自分の子育てに十分な時間を割け
なかったケースも多い。私も土日・GW・お盆・正月はなかったのである。それ
だけに自らの世界にこもるのではなく、まだ社会でやれる、やり残しがあると言
う思いで、機会があればこれまでとは違う分野で社会に貢献して欲しいとも思う。
知り合いでも地域のボランティア活動や非営利組織(NPO)活動に従事して忙しく
充実した生活を送っておられる方もいる。今の閉塞した日本の社会を立て直し打破
していくには、現役の世代だけではなく、シニアの活動がもっと活発になっても
良いのではないだろうか。現役時代の仕事の枠を超えて知識や技能を社会に伝授
していく、街の活性化や整備に今までの知恵や調整力を活かすのも大いに結構な
ことだ。「今日行くところ」「今日用事がある」も大事ではあるが、何より
「健康」「生きがい」「経済」の3本柱でイキイキしたシニア時代を送りたい。
2012/08/06 14:24