人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

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2012年5月13日

任せること(ビジネスサプリメント505号)

ある組織でリーダーの方が部下の指導方法で悩んでおられた。その部下の方

はまじめでおとなしい方なのだがご自分の考え方を自ら述べられることが少ない。

従ってリーダーは彼が仕事の出来ない方ではないが、何を考えているのかなかなか

つかみにくかったらしい。またリーダーの目線で見るとイライラすることも多く、

ついつい責め口調で問い詰める場面が多かったそうだ。強く指摘すると「物言わぬ

人」になり議論がかみ合わなかったのである。そこで私にどうすれば良いのかと

質問された。私はお2人共良く存じ上げていたので、リーダーに「あなたは理詰め

で隙なく指摘するが、彼の性格ではヤドカリ現象=触れると貝の中に入ってしまう、

どうだろう暖かい空気を吹き付けると中から出てくるのではないだろうか?」と、

また「任せることは育てること、彼は出来ないわけではないから、思い切り任せて

プロセスの報告のみ怠らずに、結果責任はリーダーにあると言ってみてはどうだ

ろうか?」とも申し上げた。言わせる雰囲気は大切で、その答えから最も良い解決

法が見つかるものだし、思い切って任せることは「自立」する機会でもあり、例え

失敗してもその失敗から必ず学べるものではないだろうかと思ったのである。

リーダーは随分悩まれたようであるが、自分自身には言わせる雰囲気作りは難しく、

彼も頑なので「思い切って任せ、結果責任はリーダーが持つと宣言された」との

こと、そして必ず途中経過は報告することを義務付けられた。

先日リーダーとその部下の方とお目にかかったがお2人共凄く笑顔があった。個別

にヒアリングをしたのであるが、リーダーは「私は言わせる雰囲気作りはなかなか

出来ないので、ある案件を思い切って任せました」と言われた、その結果その案件

で外部の相手先から、思わない良い反応が出て、彼もヤル気が出たとの報告が

あった。続いて部下の方とヒアリングをしたが、何時もより明るい、そして「ある

案件でリーダーから任せられて、自分なりにやってみたら、思わぬ良い反応が返っ

てきた、何だが自信が出てきた」と言われるではないか。また困ったらリーダーに

相談できるし、自分のこれからの方向性が見えてきたと断言された。そう!指摘の

繰り返しばかりしても、あまり効果が出てこないことが多い、このリーダーは

「任せることが育てること」を実践されたのである。

2012/05/13 10:24 |

2012年5月 6日

適職(ビジネスサプリメント504号)

内田樹さんが朝日新聞のコラムで「仕事力」と言うテーマで語っておられた。今の

人達は「最も少ない努力と引き換えに、最も高い報酬を提供してくれる職種、それ

を適職と呼びます」とあった。これは消費者マインドそのものである。賢い消費者

とは安くて価値ある商品を手に入れる、即ち価格<価値があればお買い得なので

あるが、職種にこの考えを取り入れると、とんでもない間違いを起こすことになる

だろう。宮大工の西岡棟梁が残された言葉で「南側斜面の檜は南側に、北側斜面の

檜は北側に使えば、木材の本来持つ自然な特性を最大限活かし1000年はもつ」と

言う言葉を思い出した。まさに「適材適所」そのものである。しかし適職は難しい、

今の時代必ずしも高学歴イコール高収入ではないし、世の中そんなに甘いものでは

ない。私も人生今までいろいろな経験を積んで来たが仕事で手を抜いたことは一度

もないと自負できる。そのため全力投球するから時々肩を壊す時があるが、無駄な

ことで損をすることはないし、また何かしら気づくことも多いものだ。失敗のない

人生なんて誠につまらないものではないか。失敗は大いに勉強であり、その原因を

クリアしてこそ自分の血となり肉となることは確かである。少ない努力ばかりでは

必ず将来破綻をきたすこと間違いない。内田氏が「ミニマムを至上として、若い人

は労働市場に来る」とあるが自分自身の経験からも誠に怖いことだと感じる。また

職場で手が空いた時に上司に「何をやっていけば良いのですか?」なんて質問が

あなたの職場ではないだろうか。自分で考えることをしない癖がついていなければ、

良い成果など残せないことは自明の理である。また資格試験等のスクーリングで

「この問題は出ますか?」と尋ねるケースも多いだろうが、山を張っては真の実力

は付かない。要領で世の中渡れるほど甘くはない。古い言葉だが「若い時の苦労は

買ってでもせよ」と言うものを全面肯定はしないが、今の世の中で一番欠けている

ような気がしてならない。必死で努力しても報われない時もあるだろうが、その

プロセスが将来に活きてくると信じたい、「無駄の効用」と言う言葉もあったが、

我々の仕事を消費者マインドで捉えたくはないとつくづく思ったのである。

2012/05/06 08:04 |

2012年5月28日

実践に結びつく研修(ビジネスサプリメント507号)

先日あるご支援している組織のリーダー研修を終日行った。ノウハウやあるべき

姿は一切言わず「正解はない、自分たちでどうすれば良いかを考えてもらう」こと

を研修の主旨とした。従ってくどくどとリーダーシップのあるべき姿などの講義

はなし、気づきにつながる事例をお話し、皆さんで話しあってもらった。

数班に分けて議論してもらったが、驚いたことに「話し合いのリーダーとなる人」

「班別意見を発表する人」「議論をまとめる人」の役割を、みんなの合意で各班

とも一番苦手な人にさせるように仕組まれていたのである。そして発表の段階で

どの班からしようかと考え「先にしたい班は?」と尋ねると、何と今までそのよう

なことが一番嫌いな方が手を上げて「私がします!」と言われるではないか。

その方の発表はよくまとまった内容だったので、再度驚いた。次々と名乗り出て

こられる。研修に対するスタンスが誠に素晴らしく「やらされ感」など微塵もない、

みんなで「考えよう!」と言う雰囲気なのだ。もちろんスケジュールやレジュメや

資料は事前に渡して、皆さん良く理解されて臨まれていたのである。また「自己分

析」のテーマ(これも事前に伝えてある)でスピーチ訓練をしたが、3分と言う時間

は極めて長く感じると思うし「自分は話が下手」と思い込んでおられる方が多いこ

とだろうと思った。しかし「誰から?」といった時、またまた手が上がるでは

ないか!順番を争いジャンケンで決める現象が起きた。次々に指名しなくても

どんどん進む、全員からコメントもどんどん出てくる。お話を聞いていて皆さん

「ご自分のことは良く分かっておられる」ではないか。あっと言う間に一日の研修

が過ぎたのである。今後は各人と私とで個人別にヒアリングをさせていただいて、

気づいたことなどのフォローをしていく。ここで確信したのだが「あるべきリーダー

像」を理論的にお話しても「あっ、そうなんだ!」とは感じられるが、自分自身の

経験上、明日への行動には殆どつながらないものだ。組織の理念のもと自分で考え、

違った視点からナビゲートされてこそ実践につながる。最後にまとめをしたが、

リーダーとは「考える力=誰でもあるし苦手なんてない」「表現する力=話ベタなど

なくその思い込みが怖い」「聴く力=聴く力があれば相手に話せる」と、そして一番

大事ことは「思ったことを実践する力」しかない、それは各人の真の「気づき」だと

締めくくった。

2012/05/28 11:32 | | コメント (1)

2012年5月21日

凄い不満(ビジネスサプリメント506号)

先日長年使っていた携帯電話が劣化したので買い換えも視野に入れてあるショッ

プへ相談に行った。スマートフォンなどは難しく扱う気持ちにはなれないので、

今と同じような扱いで簡単な機種を購入することにした。窓口では今月中だと溜ま

ったポイントが消えないので有効に使えるとのこと、また余計な付加サービスを押

し付けられ、断ると値段が上がるらしい、聞くと1ヶ月は無料なので2ヶ月に入る

前に断ってもらえば良いとの奇妙なアドバイス。係りの方は面倒な顔もせず応対し

ていただいたので、ついつい買ってしまった。特に写真や動画も以前の機種から移

せるとのことで作業をしてもらい、少し弾んだ気持ちで帰途に着いたのである。

早速試してみると、ボタンが多く私の親指では非常に操作しにくい、また写真は

コピー出来ているが、動画は全く移せていない。メール文は何だが邪魔臭い入力

方法で今までのものとは全く違う。早速コールセンターに問い合わせること数回、

まずは動画がコピー出来ていないことを言うと、旧機種と新機種をもって電話で

数分かかる作業をさせられた。以前はメールアドレスの電話帳と電話番号だけの

電話帳に峻別出来てメールの宛名がたやすく出てきたが、新機種では出ないと言う

ではないか。どうして窓口段階でそのような確認や、説明がなかったのだろうか。

マニュアルは分かった人が書いたもので分からない人が読んでもなかなか理解出来

ないことが多い。コールセンターのオペレーターの方に「窓口の方は以前の機種の

特徴をつかまず、新機種のセールスポイントのみしか言わないのはおかしいのでは

ないか」と申し上げたが、その方は「申し訳ございません」の繰り返しばかり、

ご意見を参考にいたしますと言うお答えだけで、一回機種を購入すれば返品は出来

ないと言われるのみだった。大手の会社である、本当に使う人の目線には立って

いない、全く売る側の目線しか感じられなかった。おそらくサイレントクレームの

方々も多いことだと思う。コールセンターでは事前にやり取りを「録音」する旨の

案内があったが、トラブル対応時に自分たちに有利なように利用するだけなの

かも知れない。コールセンターに申し上げた内容をトップの方が聞かれることが

あるのだろうか?顧客目線の無さに本当にびっくりしたのである。もちろん私が

メカ器具に弱いのは言うまでもないが。このような販売の仕方をしていると顧客離

れが起きるのは必定であろう。

2012/05/21 06:07 | | コメント (1)

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