先日あるご支援している組織のリーダー研修を終日行った。ノウハウやあるべき
姿は一切言わず「正解はない、自分たちでどうすれば良いかを考えてもらう」こと
を研修の主旨とした。従ってくどくどとリーダーシップのあるべき姿などの講義
はなし、気づきにつながる事例をお話し、皆さんで話しあってもらった。
数班に分けて議論してもらったが、驚いたことに「話し合いのリーダーとなる人」
「班別意見を発表する人」「議論をまとめる人」の役割を、みんなの合意で各班
とも一番苦手な人にさせるように仕組まれていたのである。そして発表の段階で
どの班からしようかと考え「先にしたい班は?」と尋ねると、何と今までそのよう
なことが一番嫌いな方が手を上げて「私がします!」と言われるではないか。
その方の発表はよくまとまった内容だったので、再度驚いた。次々と名乗り出て
こられる。研修に対するスタンスが誠に素晴らしく「やらされ感」など微塵もない、
みんなで「考えよう!」と言う雰囲気なのだ。もちろんスケジュールやレジュメや
資料は事前に渡して、皆さん良く理解されて臨まれていたのである。また「自己分
析」のテーマ(これも事前に伝えてある)でスピーチ訓練をしたが、3分と言う時間
は極めて長く感じると思うし「自分は話が下手」と思い込んでおられる方が多いこ
とだろうと思った。しかし「誰から?」といった時、またまた手が上がるでは
ないか!順番を争いジャンケンで決める現象が起きた。次々に指名しなくても
どんどん進む、全員からコメントもどんどん出てくる。お話を聞いていて皆さん
「ご自分のことは良く分かっておられる」ではないか。あっと言う間に一日の研修
が過ぎたのである。今後は各人と私とで個人別にヒアリングをさせていただいて、
気づいたことなどのフォローをしていく。ここで確信したのだが「あるべきリーダー
像」を理論的にお話しても「あっ、そうなんだ!」とは感じられるが、自分自身の
経験上、明日への行動には殆どつながらないものだ。組織の理念のもと自分で考え、
違った視点からナビゲートされてこそ実践につながる。最後にまとめをしたが、
リーダーとは「考える力=誰でもあるし苦手なんてない」「表現する力=話ベタなど
なくその思い込みが怖い」「聴く力=聴く力があれば相手に話せる」と、そして一番
大事ことは「思ったことを実践する力」しかない、それは各人の真の「気づき」だと
締めくくった。
コメント
2012/05/28 11:32
R・M
私も「気づいたつもり」でずっとやってきました。
良い本を読んでも良いお話を聞いても、結局つもりで終わっていました。
わかったつもり… 怖い事をしていたと気づかされました。
逃げずに実践! 頑張りますね!