人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2009年7月19日

適材とは(ビジネスサプリメント376号)

日経ビジネスの別冊にジームズ・C・コリンズ氏が「適材」とは何かの

6条件を掲載されていた。氏はあの名著「ビージョナリーカンパニー」

の著者である。適材適所とは宮大工の西岡棟梁が「北の檜は北側に、

南の檜は南側に使えば千年持つ」と言われたという言葉を思いだした。

コリンズ氏は社員が適材であるための次の6条件を示された。

①会社の基本理念を共有している
②上から厳しく管理される必要性がない
③「仕事」ではなく「責任」を与えられていると自覚している
④「コミットメント」を守り、大言壮語しない
⑤会社と仕事に対して情熱を見せる
⑥「窓と鏡」の基準を満たしている

この6条件を私の経験なりにコメントしてみたい。

①現場末端にまで基本理念が「現場目線」で具体的な行動として

 咀嚼され落とし込まれていないと何の意味もない。言葉の中にある

 考え方が十二分に理解されてこそ意味が出てくるものである。

 単なるスローガンで終わってはもったいない。

②ポイントは「如何に気づかせる」か、そして自主的な動きとなるように

 ナビゲートするかにかかっている。人は「気づけば」自ら実践するもの

 なのだ。

③「自分が責任を持つから」と言える上司がどれだけいるか。そのような
 
 上司のもとでこそ部下はミッション=使命感をもちミッションオーナー

 となり仕事に取り組めるのである。

④コミットメントとは「約束・義務」であり「やろう!」と言うスタンスが

 なければ意味がない。即ち「当事者意識」を持ち合わせているのか、
 
 他責にしてはいないかがポイントである。

⑤情熱は組織の風土から生まれる、「気楽にまじめな話の共有」が出来てこそ

 気づきとヤル気の風土作りにつながるものだ。

⑥「部下は上司の鏡」と言われる、「成功したら仲間の功績」にするような

 風土になっているのかが問われている。

簡単に述べてしまったが、難しい理論はいらない。自然にこのような風土が

醸成される組織は100年に1度の危機も自信を持ってのりきれるのでは

ないだろうか。

2009/07/19 07:26

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