日経ビジネスの別冊にジームズ・C・コリンズ氏が「適材」とは何かの
6条件を掲載されていた。氏はあの名著「ビージョナリーカンパニー」
の著者である。適材適所とは宮大工の西岡棟梁が「北の檜は北側に、
南の檜は南側に使えば千年持つ」と言われたという言葉を思いだした。
コリンズ氏は社員が適材であるための次の6条件を示された。
①会社の基本理念を共有している
②上から厳しく管理される必要性がない
③「仕事」ではなく「責任」を与えられていると自覚している
④「コミットメント」を守り、大言壮語しない
⑤会社と仕事に対して情熱を見せる
⑥「窓と鏡」の基準を満たしている
この6条件を私の経験なりにコメントしてみたい。
①現場末端にまで基本理念が「現場目線」で具体的な行動として
咀嚼され落とし込まれていないと何の意味もない。言葉の中にある
考え方が十二分に理解されてこそ意味が出てくるものである。
単なるスローガンで終わってはもったいない。
②ポイントは「如何に気づかせる」か、そして自主的な動きとなるように
ナビゲートするかにかかっている。人は「気づけば」自ら実践するもの
なのだ。
③「自分が責任を持つから」と言える上司がどれだけいるか。そのような
上司のもとでこそ部下はミッション=使命感をもちミッションオーナー
となり仕事に取り組めるのである。
④コミットメントとは「約束・義務」であり「やろう!」と言うスタンスが
なければ意味がない。即ち「当事者意識」を持ち合わせているのか、
他責にしてはいないかがポイントである。
⑤情熱は組織の風土から生まれる、「気楽にまじめな話の共有」が出来てこそ
気づきとヤル気の風土作りにつながるものだ。
⑥「部下は上司の鏡」と言われる、「成功したら仲間の功績」にするような
風土になっているのかが問われている。
簡単に述べてしまったが、難しい理論はいらない。自然にこのような風土が
醸成される組織は100年に1度の危機も自信を持ってのりきれるのでは
ないだろうか。
2009/07/19 07:26