人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2009年12月27日

迷路を真上から見る(ビジネスサプリメント399号)

以前ある企業のリーダークラスの方とヒアリングした時のことだった。この方は

何時も通り「ヤル気」は満ちておられる方だが、その時はなぜか覇気が感じられ

ないので率直に「どうかしましたか?」とお尋ねしたら「何か自分自身がすっきり

しない」と言われるではないか。お話の内容からも、やや仕事の大きな壁にぶち

当たっておられる様子が感じられたのである。そこで「今の仕事のミッションを

本当に当事者として前向きに受け止めていますか?」と申し上げたらどうも

「やらねばならない」と感じておられるようなご発言だった。もちろん責任感や

克己心の強い方であることは間違いがないが悩みモードになられていた。

そこで「あなたのミッションをあまり重く考えず、MUST<ねばならない>の気持

ちをなくしませんか?そして本当に自分がWILL<したい>と思うような考え方に

変えてみませんか!」とアドバイスしたのである。そうすると少しお考えになって

から、急に明るい表情になられ、「ねばならないと考えると、良い案も浮かばず

部下の方々にも真意が伝わりにくいですね」と言われたのである。これは私自身の

経験から申し上げたのであるが有事の時は「MUST」が必要であるが、それ以外の

時に「MUST」で考えると行き詰ることが多いものだ。また自分1人で考えすぎる

と前には進まない、周りの方達を巻き込めば以外に道が拓けるものでもある。

今の閉塞した経済状況の中で「MUST」で考えると多くの場合苦しく悩み多いもの

である。このような時は上司の「気づき」のナビゲートや、部下の巻き込みなどが

「WILL」につながる。偉そうに言う自分自身も「MUST」の苦しさに悩まされる

ことが多いが、迷路でさ迷っていては厳しい状態が続き成果にはなりにくい。

気づきから「迷路を真上から見る」ことが出来れば大きな成果になると確信する。

気づけない人は何時までも「ゆでガエル」であり「よみガエル」になりにくい

ものではないだろうか。

   (本年も残りわずかとなりました、どうか良いお年をお迎え下さい)

2009/12/27 09:42

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