以前ある企業のリーダークラスの方とヒアリングした時のことだった。この方は
何時も通り「ヤル気」は満ちておられる方だが、その時はなぜか覇気が感じられ
ないので率直に「どうかしましたか?」とお尋ねしたら「何か自分自身がすっきり
しない」と言われるではないか。お話の内容からも、やや仕事の大きな壁にぶち
当たっておられる様子が感じられたのである。そこで「今の仕事のミッションを
本当に当事者として前向きに受け止めていますか?」と申し上げたらどうも
「やらねばならない」と感じておられるようなご発言だった。もちろん責任感や
克己心の強い方であることは間違いがないが悩みモードになられていた。
そこで「あなたのミッションをあまり重く考えず、MUST<ねばならない>の気持
ちをなくしませんか?そして本当に自分がWILL<したい>と思うような考え方に
変えてみませんか!」とアドバイスしたのである。そうすると少しお考えになって
から、急に明るい表情になられ、「ねばならないと考えると、良い案も浮かばず
部下の方々にも真意が伝わりにくいですね」と言われたのである。これは私自身の
経験から申し上げたのであるが有事の時は「MUST」が必要であるが、それ以外の
時に「MUST」で考えると行き詰ることが多いものだ。また自分1人で考えすぎる
と前には進まない、周りの方達を巻き込めば以外に道が拓けるものでもある。
今の閉塞した経済状況の中で「MUST」で考えると多くの場合苦しく悩み多いもの
である。このような時は上司の「気づき」のナビゲートや、部下の巻き込みなどが
「WILL」につながる。偉そうに言う自分自身も「MUST」の苦しさに悩まされる
ことが多いが、迷路でさ迷っていては厳しい状態が続き成果にはなりにくい。
気づきから「迷路を真上から見る」ことが出来れば大きな成果になると確信する。
気づけない人は何時までも「ゆでガエル」であり「よみガエル」になりにくい
ものではないだろうか。
(本年も残りわずかとなりました、どうか良いお年をお迎え下さい)
2009/12/27 09:42