以前朝日新聞に産業能率大学の「ゆとり世代」の調査が掲載されていた。
中学校入学時、新学習指導要領になっていた87年度以降の生まれを「ゆとり世代」
呼んでいる。「ゆとり世代」は指示待ちが多く責任ある仕事を任せられると、
ヤル気が出るより「不安」と感じる割合が高いそうだ。最近の若い人達のメンタル
ヘルスにもつながっているように感じる。
上司の仕事で一番大事だと思うものを①部下の報告を受ける②部下に指示を出す
③部下からの相談にのる、の3つから一番多かったのは「部下に指示を出す」
だったようである。また上司に仕事の相談をする場合①指示②判断③意見のどれを
求めるのが適切かを尋ねると「指示」を求める割合が高いというのだ。
即ち自分で考えて行動するよりは、指示されたことを無難にやる方が楽と考えて
いるのである。このような傾向はゆとり世代に限らずどの世代でも増えてきている
ように感じるが、いささか驚いた次第である。
不況による不安が原因しているのだろうか、教育の影響なのか、時代観の違いなの
だろうかははっきりしない。指示からは「やらされ感」しか生まれないことが多い
し、当事者意識は芽生えないことが多いものだ。最近若い人達から良く聞く話で
あるが「自分は管理職」にはなりたくない、なっても仕事が増えて苦しいだけ、
好きな仕事の知識さえ深めれば良いという意見が多いのも確かである。
どうやら5つの(あ)<あきらめる・あわてる・あせる・あなどる・あてにする>
が蔓延しているのではないだろうか。このような世代は「問題点を指摘」すると
嫌がる傾向が強く、問題を隠してしまうのかも知れない。指示を待ち失敗を避ける
傾向が出てくる。失敗してこそ学べるのではないだろうか。この世代が全てそう
だとは思わないが良い点を指摘して伸ばしていき「成功体験」をより多く感じさせ、
「達成感」を持たせることが最も効果的な育成法だと確信する。
2009/12/20 10:04