先日ある企業で入社4年目の男性若手社員と「個別気づきヒアリング」をしていた
時の話である。はっきりモノを言われるし、なかなかの好青年であった。私が話
したことは全て記録され真剣な眼差しであった。しかしよく話を聴いてみるとどう
も自由に仕事が出来ていない様子が垣間見れた。彼は積極的なタイプで「言われな
くてもどんどん仕事を進める」という感じであるが、上司は「言われたことを間違
いなく進めてくれたら良い」と言うスタンスのようであり、どうもかみ合わない
様子だ。確かに彼は少し走りすぎの面が感じられる、上司としては危なっかしくて
見ておられないような時もあるのではないだろうか。彼に「いちいち細かいことを
言う必要はないが、上司には報・連・相を心がけ、仕事の進捗状況を言っているの
か?」と問いかけた。そうすると「必要と思われることは言っているが、お忙しそう
なのでコミュニケーションはあまりない」と言うではないか。そして上司から
「○○さんこの仕事にチャレンジしてみたらどうか!失敗しても私が責任取るから」
と言うぐらいの言葉をかけて指導して欲しいと言うのである。2人の間に大きな溝
が出来ていることが判明した。そこで後日その上司にそれとなく問題点を投げかけ
てみた。上司曰く「彼は考えてものをする癖が、まだまだないので間違いなく仕事
をしてくれたら良い、困ったことがあれば言ってくれれば良い」と言われる。その
ままでは「彼を潰すことにならないか?彼は上司が自分の仕事に関心を持って欲し
いらしいし、欠点があるなら遠慮なく指摘して欲しい」と言っている旨を伝えた。
上司はしばらく考え込まれて自分の仕事に没頭して、部下の仕事まで正直きめ細か
く見ていなかったと猛反省された様子である。自分も若い頃にはそのような経験を
したが、「まさか自分が同じような管理の仕方をしているとは」とも言われた。
その後お2人で十分意思疎通をされ思っていることを話し合われたようだ。数日後
若手社員の顔はイキイキしていたのが印象的だった。
2010/08/06 09:18