人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2010年7月28日

真剣とは(ビジネスサプリメント429号)

「真剣だったら知恵が出る、中途半端だったら愚痴が出る、いい加減だったら

言い訳ばかり」、これはある事務所に掲示されていた言葉である。

私が大震災後のどん底の時、ある人から「深刻になるな、真剣になれ」と言われた

ことを思い出した。そう深刻や中途半端やいい加減からは生まれてくるものは稀で

あろう。ますます悪い結果しか生まれてこないものなのである。ややしんどくなれ

ば良い意味でお風呂ではないが「いい加減」な時も必要かもしれないと思う時もあ

るが。あなたの職場では如何だろうか、結構「愚痴」は多いものだし私も良く口に

する。疲れてくるとなおさら増えるものだが、結局は中途半端な対応しかしていな

いのである。また「言い訳」も多いものだ、例えば会議をすると必ず成績の悪いと

ころからの「言い訳から」始まる。その言い訳は事前に「言い訳を探す会議」をし

ているなんて笑えない話がある。要は他責なのだ、即ち「当事者意識」が欠落して

いる証拠である。自分事として捉えていないのである。

振り返って「真剣」とはどのようなことを言うのだろうか、辞書で引くと「木刀・

竹刀に対して実際に人を殺傷できる刀剣」とある。誠に怖いものなのである。会議

でも言い訳ばかりであれば意味がない、「この企画が通らなければ会社は倒産する」

ぐらいの真剣さで全員が臨めば、いくらでも知恵が出てくるものだ。一方気をつけた

いのが先ほどの「深刻」である。思い込むことによってどんどんと負のスパイラルに

はまり込んでしまう。深刻からは何も生まれない。この混迷の時代多くの人が

「深刻」になられているに違いない、楽観的過ぎるのも良くないが、小さな波にば

かり気を取られて周りを見ないことは更に致命的だ。背後にもっと大きな波が押し

寄せようとしているかもしれない。スキルやノウハウを覚えたところで「真剣」に

取り組まなければ何の効果も出ないことが多い。今求められることは「自分で真剣

に考え、真剣にやりぬき、真剣に結果を出す」ことではないだろうか。

2010/07/28 06:57

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