過日の日経新聞「ニュースな/人・ヒト」に詳しくマー君のことが掲載されていた。プロ野球・楽天の田中将大投手は今季42イニング連続無失点をマークし、何と9月6日現在開幕から無傷の20連勝、昨年8月26日から続く連勝記録も24にまで伸ばした。20連勝の最多記録を持っていた「西鉄鉄腕稲尾和久」らをも超えて次々とプロ野球新記録を樹立している。稲尾投手は読売ジァイアンツとの日本シリーズで7試合中6試合に登板し、第3戦以降は5連投、うち5試合に先発し4完投、優勝時の地元新聞には「神様、仏様、稲尾様」の見出しが踊ったのを記憶しているが、その稲尾選手を超えるとは、まさにマー君の快挙ではないか。北海道・駒大苫小牧高校時代の監督は「高校時代からも走者を出しても点をやらなかったし、投球のリズムが良いから打線の援護も多かった、ただ当時は点を取られまいとガツガツと全力で投げて余裕がなかった」と言う。運もあるだろうが、それこそ運も実力の内である。彼の投球を見ていると「メリハリ」があると言えるのではないだろうか。良い意味で手を抜きながら、いざと言う時に全力になるのだ。走者がいない時は肩の力を抜いて打たせて取り、ピンチになると一気に全力投球で抑えにかかる。ビジネスにおいても同じことが言えるような気がする、ここが勝負時と考えた時に全力を出し切るのだ。私も阪神淡路大震災に遭遇、また大型倒産の悲劇と言うピンチが続いたが、そこでは「あきらめず」「あわてず」「あなどらず」「あてにせず」「あせらず」に徹し切り「深刻」にならず「真剣」に取り組んだことを思い出す。マー君は何と今季満塁の場面では13打数無安打、7奪三振と相手を完璧に封じている。本人は「自分なりに工夫してメリハリをつけたピッチンングを心がけ、とにかくいろいろと考えている、投げるボールだけではなくて、気持ちの部分でも勝負している、そういうところは成長かなと思う」と分析しているのである。そして一番大事なのは体調管理ではないか、あの4000本安打を達成したイチロー選手は過酷なスケジュールの中でも大きな怪我はしていない。私はサラリーマンでなくなった時、体調管理には特に気を付けた、熱が出たからと言って講演会を休めない、代理はきかないのである、それがプロなのかもしれない。そして彼の語った言葉で印象的だったのは「常に上を見てやっていきたいし、自分をもっと高めていこうと言う気持ちを持ってやっていく」と語ったことだ。そう!「これで良い」と思った時から衰退が始まるのを知っているのだ。
2013/09/12 08:11