人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2014年5月14日

主体的に動く(ビジネスサプリメント582号)

「事業は人なり」と言う言葉が良く使われることが多い。経営資源には「人・もの・金・情報」などいろいろとあるがやはり「人」が一番大切なのは言うまでもない。まさに「組織も人なり」であり、不透明・不安定な経済状態の時は社員自身が会社の将来を思い、業務のあり方やお客様満足などのカイゼンに取り組み続けるような企業でなければ生き残れないのではないだろうか。
そう!「ぶら下がり」ではなく各人が「当事者意識」を持たないと存在できない時代に突入したのである。決まったことしかやらない社員、権利を主張するだけの社員などを抱えた企業は早番破綻することもある。最近の企業破綻を見ていると誠に怖い状況である。確かに大きな組織にぶら下がり、考える力をなくし、そのことに気づかないことは怖いことであるし、気づいても行動しなければ何もならない。以前の私がそうであった、大きなロープにぶら下がっておれば絶対に切れることはないと確信している自分があったが、突然切れたのである。切れればまた別のロープを探しまくっていた自分があったことを思い出す。このような時代はしっかりと「自立」することが求められる、即ち主語は「会社」ではなく「自分」なのである。「自分のことは自分で行い、自分で責任を持つ」自立した集団が勝ち残るのではないだろうか。マーケットの変化をいち早くキャッチし更にはマーケットを変えていくぐらいの気概が求められるのである。また社員は経営者を映す鏡、上に立つ者の器量や度量、マネジメント力次第で社員の意識も大きく変わる。数々の企業をご支援していてこのことを凄く感じることが多い。トップ自ら現場へ出向いて社員の話を聴く、また会社のいろいろな情報を伝え共有していくことも大切であり、何も難しいことはなく、簡単に実現できることである。現場を大切にすることが、自立した社員を作るのであろう。このような時こそ日本の誇りであった「現場力」を高めていかなければいけないのではないだろうか。成果主義も大いに結構だが「大事なのはお互いの信頼関係」であるし「形」ではなく「中身」とその「運用」が大切なのだ。
そう言えば以前次のような言葉を聞いたことがある。「真剣であれば知恵が出る、中途半端であればグチがでる、いい加減であれば言い訳ばかり」これは的を射た言葉だが、今こそ自立して主体的にアクションを起こしていかないといけない時と言えるのではないだろうか。

2014/05/14 09:40

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