人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

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2014年6月15日

指摘は直接に(ビジネスサプリメント584号)

あるところでヒアリングをしていたら、非常に気の優しそうな若手女性から「他部門の上位職の方から自部門の上司のことを長々と悪く言われた」とのこと、その言葉を聞いて何だか嫌になってしまったと言うのだ。もし自分の上司のことで気になることがあれば直接言って欲しいし、自分はそのことを言われた方に進言する勇気もなく大変落ち込んだとのことだった。
この話を聞いてまともな意見であり、その方に「あなたが正しいしその気持ちを忘れないようにして欲しい」そして多分直接言われないのは言っていることに自信もないし、気の小さい方ではないか、また言われている内容も多分好き嫌いから来るものだから無視しようと助言してあげた。そうですね!と明るい顔になられたのが印象的だった。
よくある話しである、私も随分昔に直属の上司のことをある方から「彼はダメだよ!仕事も出来ないし期待もできない、君はあの人の言うことを聞いてはだめ」と言われたことを思い出した。それを聞いてそのまま直属の上司に伝えることは出来ないし悩んだことがあった。何故上司に直接言われないのか?そう!気が小さいのである、また嫌がられたくない気持ちも先行しているし、ひょっとしたら上司を蹴落としたい輩かもしれない。直属の部下に言うとはあまりにも人間としての人格に欠けているし、聞いた方も言った人を信頼しなくなる。ただ残念なことに自分が直属の上司の後を狙っているような輩は、その意見に同調し同じ内容を膨らませて周りに言うこともあるのではないだろうか。そのような人達がいる組織は間違いなく腐っているし、言った本人は周りからは認められなくなる結末を迎えるものだ。ただ「褒める」と「指摘」については褒める時は周りに言うと倍増して本人に伝わることが多いし、指摘は直接本人に言うと効果が出るのは言うまでもない。私も出来なかったが、もし他の人から上司のことを悪く言われたら「その内容を上司に直接言ってください」と言えるような人材になりたいものだ。

2014/06/15 09:42

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