人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

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2014年7月 1日

目標とヤル気(ビジネスサプリメント585号)

最近モチベーションと言う言葉を使われることが多いが、ある雑誌に「モチベーション、どこから?」と言う特集が掲載されていた。その雑誌には「日々の仕事にヤル気を持って臨んでいるか?」と言う質問に対して「ヤル気を持って取り組んでいる」と答えた人は24%と言う結果が出ていたが意外に少ないものだった。ではヤル気の源は何かに対しての答えの順番は収入・仕事への責任感・得られる達成感、一方ヤル気のない人の答えの順番は頑張っても昇給や昇進につながらない、会社のためにと思えないと言う項目もあった。ハーズバーグの衛生要因にあるように「給与や地位や環境アップ」などは衛生要因と呼ばれ「不満足の減少」でしかあり得ない、「やりつくしたと言う実感や、みんなから認められる」などは動機付け要因と呼ばれ「満足の増加」につながりモチベーションアップの源であることは言うまでもない。
この特集から再度確信したことであるが、モチベーションの主語は「自分」であり「やらされ感」からは絶対にアップしない、当事者意識を持って「他人事」ではなく「自分事」として捉え懸命に取り組んでこそ「達成感」が生まれモチベーションが上がるものである。
そのポイントは自分がポジに捉えられる「目標」があるのかどうかではないか。
例えばボーリングを例に考えると、思い球を投げてピンを倒すだけと言う、
誠に「単純反復作業」の連続である、しかし自分のスコアの目標がありその達成のために「自分で工夫し考える」から面白さが出てくるのではないか。また評価と言うことを考えると自分の投げた結果も即判明する、レーンに幕があり結果は翌日であれば面白くもないし全くヤル気も出てこない。またストライクが出るとみんなから「拍手」され認められるからますますモチベーションも上がる。みんなに評価される喜びがあるから楽しいのだ。
仕事も全く同じである、もちろん給料が高いだけがポイントではない、具体的な自分自身の目標があるのか、そのために自分で考えて仕事をしているのか、そのプロセスが周りの人から認知され認められているのかが非常に大切になってくる。MUST(ねばならない)からはポジな考えは生まれない、WILL(したい)からはどんどんとアイデアが湧いてくる。仕事は厳しいものであるが「楽しい・役に立っている」と感じた時こそ成果が生まれモチベーションがアップするものだ。そう!「目標こそ未来を築く」と言う言葉を思い出した。

2014/07/01 09:01 |

2014年7月15日

問題意識(ビジネスサプリメント586号)

常に問題意識を持って仕事を進めることが大切だという言葉を良く耳にするが、問題意識とはどのような意識なのか?簡単に言えば「オヤおかしいな?」と思う気持ちを持つことではないだろうか。仕事がマンネリ化してくると、自分たちが行っている業務に埋没して「おかしいな?」とは思わなくなるものだが、これは誠に怖いことである。
問題意識のことで前職のある事例を思い出した。私が売り場を巡回しているとスポーツ用品担当の女性社員から次のような質問があった。「スポーツシューズはどうしてスポーツ用品売り場だけしか置いていないのか?」と彼女は疑問に思ったそうだ。
スポーツ用品売り場は殆どが目的買いであり、衝動買いはきわめて少ない、従って売り場配置も別館にあり極めて分かり辛い配置であった。彼女は最近の若い女性はスポーツシューズをタウンシューズとして買われるのではないかという仮説を立てたそうだ。そして上司の許可を得て、夕刻1時間女性ヤングファッション売り場のお客様の足元を観察したらしい。もちろんパンプスやヒールのシューズも履かれているが、何と約4割が自分のファッションに合わせてスポーツシューズの人がいたと言うではないか。早速企画部門で調査をすると、4割弱の方々がスポーツシューズをタウンシューズとして履かれていることが判明した。しかしヤングファッションフロアにはスポーツシューズを展開できるスペースがない、そこでディスプレイのスペースを活用して、ファッショナブルなスポーツシューズとウエア―数点を展示し、その位置からスポーツ用品売り場への分かり易いマップを大きく表示したのである。
暫くしてスポーツ用品売り場の彼女のところへ行ってその後の様子を聞いたら、何と展示して以来ほぼ毎日約2割増しのお客様がスポーツ用品売り場にお見えになり、約半数のお客様がスポーツシューズをお買い上げになると言う嬉しい言葉が返ってきた。全て彼女の日頃の問題意識が原点になり可能な限りの対応をした結果なのである。与えられた仕事を単純に繰り返していては、このような発想は浮かばなかったであろう。今では一つのコーナーでウエア―からシューズまで展開するのは当たり前になっているが、世の中の変化を先取りした彼女のポジティブなスタンスは素晴らしいものだった。

2014/07/15 09:09 |

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