人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2014年7月15日

問題意識(ビジネスサプリメント586号)

常に問題意識を持って仕事を進めることが大切だという言葉を良く耳にするが、問題意識とはどのような意識なのか?簡単に言えば「オヤおかしいな?」と思う気持ちを持つことではないだろうか。仕事がマンネリ化してくると、自分たちが行っている業務に埋没して「おかしいな?」とは思わなくなるものだが、これは誠に怖いことである。
問題意識のことで前職のある事例を思い出した。私が売り場を巡回しているとスポーツ用品担当の女性社員から次のような質問があった。「スポーツシューズはどうしてスポーツ用品売り場だけしか置いていないのか?」と彼女は疑問に思ったそうだ。
スポーツ用品売り場は殆どが目的買いであり、衝動買いはきわめて少ない、従って売り場配置も別館にあり極めて分かり辛い配置であった。彼女は最近の若い女性はスポーツシューズをタウンシューズとして買われるのではないかという仮説を立てたそうだ。そして上司の許可を得て、夕刻1時間女性ヤングファッション売り場のお客様の足元を観察したらしい。もちろんパンプスやヒールのシューズも履かれているが、何と約4割が自分のファッションに合わせてスポーツシューズの人がいたと言うではないか。早速企画部門で調査をすると、4割弱の方々がスポーツシューズをタウンシューズとして履かれていることが判明した。しかしヤングファッションフロアにはスポーツシューズを展開できるスペースがない、そこでディスプレイのスペースを活用して、ファッショナブルなスポーツシューズとウエア―数点を展示し、その位置からスポーツ用品売り場への分かり易いマップを大きく表示したのである。
暫くしてスポーツ用品売り場の彼女のところへ行ってその後の様子を聞いたら、何と展示して以来ほぼ毎日約2割増しのお客様がスポーツ用品売り場にお見えになり、約半数のお客様がスポーツシューズをお買い上げになると言う嬉しい言葉が返ってきた。全て彼女の日頃の問題意識が原点になり可能な限りの対応をした結果なのである。与えられた仕事を単純に繰り返していては、このような発想は浮かばなかったであろう。今では一つのコーナーでウエア―からシューズまで展開するのは当たり前になっているが、世の中の変化を先取りした彼女のポジティブなスタンスは素晴らしいものだった。

2014/07/15 09:09

お問い合わせ