人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2014年11月15日

仕事の段取り(ビジネスサプリメント594号)

個人ヒアリングをしていてよく聞く言葉は「この頃バタバタして1日が終わったら何をしていたのか?物事が進まず何だか虚しい気がします」と言うものだ。このような方々は与えられた仕事に熱心にお取り組みをされている場合が殆どであるし、極めてまじめな方が多い。突っ込んで聞いてみると「今日はこれをしよう!」と一応スケジュールは立てているが、必ずしもその通りにはいかないことが多いと言われる。そこで「どのようなことがスケジュールを狂わすのか?」とお尋ねすると、突発的な仕事や締め切り間近の仕事が多く計画通りにはいかないと思い込んでおられる様子が垣間見られ、それは仕方ないことだと半ばあきらめておられることが多い。そこでスティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣」を思い出した。最近はマン画本まで出ているが。
横軸に緊急性、縦軸に重要性のグリッドを作り4つの領域に分けた理論である。人間は緊急度の高い重要性の高い第一領域(締め切りのある仕事、クレーム対応等)を優先してしまい、緊急性はないが重要度の高い第二領域(準備や計画、人間関係作りなど)を後回しにすると言うものである。大事な第二領域よりも、第一領域に振り回されているのだ。そこで「もう一度、仕事の再整理をして突発的な仕事が入ってきても良いようなスケジュール化をすれば」と申し上げるが、上手くいくことはまずない。要は従来の仕事の進め方の延長線上でしか考えられないのである。何が今一番重要な仕事であるのかを考え直さないと解決は難しい。また仕事を省くことも大切である、即ち「この仕事をしなくても良いのではないか?」「今この仕事をしなければならないのか?」「この仕事は誰かに任せることは出来ないのか?」などを考えないといけない。即ち従来の行動パターンから「新しい行動の習慣化」を考えるべきである。もっと突っ込めば「この仕事の目的は何か?」とか「この仕事の重要性は?」が希薄になってはいないだろうか。そこである人に自分の仕事を整理してもらい、重要度や目的意識まで突っ込んで考えてもらったことがあった。最初は邪魔臭いと言う抵抗感があったようだが「自分のため」と言うことに気づかれ、かなり突っ込んで整理をされた。そして一緒になってその内容を分析したことがあった。ご本人が「随分無駄な時間を過ごしていました」と言う言葉が印象的だったのを覚えている。そう従来の行動パターンから重要性を重視した新しい行動パターンに気づかれたのである。「7つの習慣」が「7つの瞬間」にならないようにしたいものだ。

2014/11/15 08:15

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