人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2007年4月28日

視えることにより「気づき」が生まれる!

あるコンサル先企業の幹部ミーティングで「コミュニケーション」が

一番大切であると言う結論になった。

「明日から皆なで声かけをしよう!」とのこと、あまりにも抽象的でありストップをかけた。

具体的ではなく「スローガン」であり、絶対に上手くはいかないと思った。

A氏は皆に声をかけていると自信を持って言われていたので、7人の部下を持つ

A氏に実験台になってもらった。前提条件としてあくまで実験だからと念押しした。

A氏の手帳に全員の名前を書いてもらい「1ヶ月間声をかけたら正マークを入れて欲しい」

と頼んだ。「おはようございます」でも、「お疲れ様」でも良いからと。

そして1ヶ月後に発表してもらったら、A氏は驚いたご様子だった。

何と多い人で30回、少ない人は3回と言う結果が出た。

後は10回から20回までの方ばかりであった。

A氏は全員に平等に声をかけていると言う思い込みがあったのだ。

早速原因究明である。A氏を責めてはいけない。

30回の方は席も隣で毎日顔を合わせている。良く飲みにも行く。

3回の方は外勤で帰りが遅く出会う機会が少ないし、

何となく気が合わないと言うことが判明した。彼からも声がかからないのである。

そこでA氏はその方と忌憚なく話し合ってみると宣言された。

お互いの誤解や、A氏の関心度の低さが原因のようだった。

それからは気軽に話し合えるようになったのである。

また手帳につけられていたが、3回が20回になっているではないか!

ものごとは「可視化」することによって「気づく」ものであり、

気持ちだけでは実践にはつながらない。

2007/04/28 10:38

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