前回号で生産性を上げようと述べたが、供給を増やしても需要が増えなければ
不良在庫となってしまう。そう!需要と供給のバランスが取れないことには
動きようがない。
以前は「売上げが全てをいやす」と言うことがよく言われた。
最近の企業の連続した不祥事も「売上げ至上主義」が生んだ弊害である。
要は市場が何を求め、それに対して先行してどのような提案が出来るのか?
当たり前であるが「プロダクトアウト」から「マーケットイン」へと大きく変わっている。
少し遅れて本年も梅雨入りしたが前職で、空梅雨の時があった。
当然傘の売上げが芳しくない。雨が降らないから傘が売れないのだ。しかし
本当にそうだろうか?傘と言う商品は「雨に濡れない」と言う機能性だけと
考えてしまうからである。そこで筆者は現場(売り場)のベテラン女性社員
にどうしたら売れるのか考えてもらった。
そうすると「傘は女性にとってはファッションの一部です。バッグや靴と
コーディネートしてお買い上げになります。姿見を6台置いてください。
お客様は姿見で傘を手にしてトータルのコーディネートを楽しまれるのです。
そして雨が降らない時は出来るだけファッショナブルな傘を全面に出しましょう。
雨の時はワンタッチ式のような機能性の高いものを出すのです」と提案される
ではないか。まさにお客様の心を捉えているのである。
早速売場変えをしたら、何と前年を上回る売上げになった。
モノを生産する工場も、現場の方の工夫や知恵でお客様に喜んでいただける
製品が出来るのではないだろうか。これが今の生産性向上と言える。
2007/06/20 09:56