人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2007年8月 9日

理念の翻訳(ビジネスサプリメント269号)


最近各企業共に「企業理念」の大切さが叫ばれている。

難しい言葉の企業もあるし、単なる「スローガン」として唱和している

企業もある。理念は方針ではない。理念と言うものは根となる考え方

であり「不易」である。それを現場で具現化した表現や、

実践の仕方が「流行」であると思う。

トップが「火事だ!」と言えば現場でも「火事だ!」と言っておれば、

消失してしまう。トップの理念が難しくても、現場でその理念が浸透し

実践されているかどうかが問題なのだ。スキルやノウハウではない。

「顧客満足の最大化」が企業理念であったとしよう。

企業は誰のためにあるのか、ステークホルダーと言われる人達のため?

M&A等のファンドは株主であると明確に言うが、あるいは顧客のため、

あるいは社員のためなどなどかまびすしい。

企業は「顧客のため」にあり、結果としてステークホルダーのためにあると思う。

それでは「顧客満足の最大化」は現場でどのようなことを実践するのかの翻訳が

なされていないことが多い。

現場では「笑顔で接しよう!」「一言添えよう!」などなどいろいろあるだろう。

しかし、現場の「気づき」を喚起させる翻訳でないと継続しないのである。

前の職場で一番上手く理解していただいた翻訳は「あなただってお客様」

と言う言葉だった。そう!今は「売り手」であるが、自分も「買い手」になることがある。

その時にはどのように接して欲しいかを考えさせ、

気づかせ実践することがポイントなのだ。

2007/08/09 20:17

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