人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

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2007年12月 1日

ヨウリョウの問題(ビジネスサプリメント287号)


先日ある企業の幹部の個別ヒアリングをしていたら、

A氏が「ヨウリョウの問題がありますね」とお話された。

私は一瞬「要領?容量?」どちらの意味か迷ってしまった。

A氏は「自分の仕事量があまりにも多すぎて、全てに中途半端に

なってしまっている」とのことだった。そう「容量」のことだった。

そこで「要領」を考えませんか?と投げかけた。A氏は不思議な顔をされた。

「要領が良い」と言う言葉はあまり良いニュアンスでは伝わらないことが多い。

辞書で引くと「物事の処理の仕方」と「表面だけはいいように見せかけ、

実際の作業は手を抜くことが上手い」とある。

A氏に求めたものは明らかに前者で「仕事の押さえるべきポイントを絞り、

優先度の高いものから手を付け、あまり自分自身で仕事を抱え込まずに

部下の方に任せよう」と伝えた。

A氏は「そう言えば何でも自分でやってしまうことが多い、

何故ならその方が早いから」と言われるではないか。

かなり迷っておられる様子が見て取れた。

そこでもう一言A氏に「部下は任せることによって育つ、そうすると

自分の時間が出来、優先度を考えながら仕事が出来ますよ」ともお話した。

A氏も納得され「早速実践してみます」と力強い言葉で結ばれたことがあった。

「ヨウリョウ」から思わぬ成果が出たのである。

2007/12/01 05:39

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