先日ある企業の幹部の個別ヒアリングをしていたら、
A氏が「ヨウリョウの問題がありますね」とお話された。
私は一瞬「要領?容量?」どちらの意味か迷ってしまった。
A氏は「自分の仕事量があまりにも多すぎて、全てに中途半端に
なってしまっている」とのことだった。そう「容量」のことだった。
そこで「要領」を考えませんか?と投げかけた。A氏は不思議な顔をされた。
「要領が良い」と言う言葉はあまり良いニュアンスでは伝わらないことが多い。
辞書で引くと「物事の処理の仕方」と「表面だけはいいように見せかけ、
実際の作業は手を抜くことが上手い」とある。
A氏に求めたものは明らかに前者で「仕事の押さえるべきポイントを絞り、
優先度の高いものから手を付け、あまり自分自身で仕事を抱え込まずに
部下の方に任せよう」と伝えた。
A氏は「そう言えば何でも自分でやってしまうことが多い、
何故ならその方が早いから」と言われるではないか。
かなり迷っておられる様子が見て取れた。
そこでもう一言A氏に「部下は任せることによって育つ、そうすると
自分の時間が出来、優先度を考えながら仕事が出来ますよ」ともお話した。
A氏も納得され「早速実践してみます」と力強い言葉で結ばれたことがあった。
「ヨウリョウ」から思わぬ成果が出たのである。
2007/12/01 05:39