部下の気持ちを理解されようとせず、一方的に指示のみをする上司の方
がおられる。組織であるからには、そのことを否定はしない。
しかし結果として「指示待ち人間」作りをしてしまい、いざと言う時に
「何も出来ない人材」となってしまうことが多い。
よく言われるが「他人の痛み」の分かる人とはどのようなことなのだろう。
今年の初場所も始まったが、数々の不祥事で揺れ動いる大相撲の寺尾関
(今は親方)の話を聞いたことがある。
連続出場記録を更新中に大怪我をしてしまった時があった。
仕方なく療養していると、八角親方(元横綱北勝海)がお見舞いに訪れ
「寺尾!怪我して良かったなぁ」と言われたとのこと。
寺尾関はびっくりされたようだ。
しかし「お前は将来、指導者になる男である。ここで怪我をした時の辛さを
身をもって体験しておくと、将来の指導にきっと役に立つ」と言われたそうだ。
まさに的を射た言葉である。今の大相撲界にはこのような方が少ないのかも
知れない。そう!評論家がいくら高邁なことを言われても、
所詮「経験していないありきたり」の言葉は響かない。
しかし自分が体感し、経験をしたことを乗り越えた強さは相手の心に
届くものではないだろうか。
人間と言うものは「それぞれ個性があり、性格も微妙に違う」。
したがってその人の気持ちになりきらないと的確な助言は出来ないものだ。
自分の経験から感じた「痛み」を助言してあげて、
本人自身が気づかれることが一番大切なのだ。
2008/01/14 09:31