人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2008年3月21日

「踊り場」を考える(ビジネスサプリメント304号)


19日(水)の関係閣僚会議で大田経済財政担当相は景気の基調判断を

下方修正し、会議後の記者会見で「景気は踊り場的な状況にある」

と表明された。

今の景気回復は2002年2月に始まり戦後最長記録を更新中だが、

踊り場は過去2回あったようだ。ここで言う「踊り場」とは「景気の回復が

一時的に停滞する状態」を言うのである。

言い換えれば「足踏み」「横ばい」の状態なのだ。

住宅建設のみ持ち直しつつあるが、これは改正建築基準法の施工に

伴う現場の混乱が落ち着いてきたためのようだ。

今の政治も経済も早く「踊り場」から脱出して欲しいものだと思うのは

私だけではないだろう。

拙著「人生の踊り場を迎えた――団塊の転職」でも「踊り場」を使っている。

私の「踊り場」はまさに階段の踊り場の意味で使った。

そう200段もある階段を「踊り場」なしで登ろうとするとかなり厳しいが

「踊り場」があるから登れるのではないか。

人生にも「踊り場」を設けてスムーズに登る方策を考えるべきと言う意味で使った。

即ち「停滞」ではなく「越し方を振り返り、方向性を確認し直し新たな登り方や、

違う階段を登ってみよう」と言う意味なのである。

英語では「踊り場」のことを「landing」とある、着地・着陸の意味もあるのだ。

そして「踊り場」の意味もあり→で「flight」<飛ぶこと>につながっていた。

そう一旦着地して燃料補給してから「新たな飛び立ち」へとつながらないといけない。

今の政治・経済の「踊り場」もこのようなポジティブな意味合いで解釈しないと、

衰退へのつながりになれば非常に怖いと思うこの頃である。

2008/03/21 10:12

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