人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2008年5月 1日

成果とは(ビジネスサプリメント310号)

もう言い古された言葉に「成果主義の弊害」と言うものがある。

「虚妄の成果主義」とか「内側から見た成果主義の崩壊」などの本も

上梓され大変な人気だった。あれから数年が経過したが根本的解決

には至っていない。

昭和40年前後から「目標管理」なる手法が流行りだしたが、

未だ定着はしないのが現実である。そう!手法やスキルでこのような

大事な問題は解決しない。

「人が人を評価する」ことは至難の技である。根本的に評価者に「人間観」

がなければならない。しかも「デジタル評価」はかなり難しい。

ポイントは「定量評価」と「定性評価」のバランスにある。

「定量評価」はシンプルで結果が即目に見える。

しかし「定性評価」は良く観察し、話し合わないと見えないのである。

例えば「難攻不落の新規顧客を開拓した」「先を見越して新規計画

を立案した」「人財育成に力を注ぎ部下が大きく成長した」

「目には見えない社会貢献をした」などなど、定性評価は山ほどある。

そして今日本の会社に最も求められているのは

「人財を育成し気づきを与えたか?」と言う項目であろう。

何故なら閉塞した社会でも「企業は人なり」は永遠の課題なのだが、

ついつい怠っている現状を垣間見ることが多い。人間は自分を認めて欲しい

ものなのである。

「数字を追わないと存在が危ぶまれる」ことも確かである。

でもそればかりでは「破綻が大きな口をあけて待っている」ことは明らか。

要は経営者が「企業理念」に基づいて、2つの評価のバランスを如何に

考えていくのかが最も大切な時代を迎えた。

2008/05/01 13:45

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