もう言い古された言葉に「成果主義の弊害」と言うものがある。
「虚妄の成果主義」とか「内側から見た成果主義の崩壊」などの本も
上梓され大変な人気だった。あれから数年が経過したが根本的解決
には至っていない。
昭和40年前後から「目標管理」なる手法が流行りだしたが、
未だ定着はしないのが現実である。そう!手法やスキルでこのような
大事な問題は解決しない。
「人が人を評価する」ことは至難の技である。根本的に評価者に「人間観」
がなければならない。しかも「デジタル評価」はかなり難しい。
ポイントは「定量評価」と「定性評価」のバランスにある。
「定量評価」はシンプルで結果が即目に見える。
しかし「定性評価」は良く観察し、話し合わないと見えないのである。
例えば「難攻不落の新規顧客を開拓した」「先を見越して新規計画
を立案した」「人財育成に力を注ぎ部下が大きく成長した」
「目には見えない社会貢献をした」などなど、定性評価は山ほどある。
そして今日本の会社に最も求められているのは
「人財を育成し気づきを与えたか?」と言う項目であろう。
何故なら閉塞した社会でも「企業は人なり」は永遠の課題なのだが、
ついつい怠っている現状を垣間見ることが多い。人間は自分を認めて欲しい
ものなのである。
「数字を追わないと存在が危ぶまれる」ことも確かである。
でもそればかりでは「破綻が大きな口をあけて待っている」ことは明らか。
要は経営者が「企業理念」に基づいて、2つの評価のバランスを如何に
考えていくのかが最も大切な時代を迎えた。
2008/05/01 13:45