人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2008年5月 8日

動機付けとは?(ビジネスサプリメント311号)


ハーズバーグと言う行動科学者の衛生要因論は今でも真実として生きている。

「衛生要因」の代表的なものは給与とか地位とか職場環境などがあげられ、

人間のモチベーションを高めるが、際限がない。

要は不満足の減少でしかあり得ない。一方「動機付け要因」とは組織における

役割や社会から認められることや、仕事の「達成感」などで真にモチベーションを

高める、即ち満足の増加につながる。

先日日経新聞で「褒め言葉は報酬」と言う記事が掲載されていた。

自然科学研究機構・生理学研究所のグループが「褒められた際の脳の動き」を

初めてとらえたと発表されたのである。

その時に喜怒哀楽をつかさどる部位よりも、食べ物やお金をもらったときに

反応する中心部の血流が活発になったとのこと。

褒められることを脳が「報酬」と受け止めることを示すもので、人間の複雑な

行動を科学的に検証する指標の一つになるという。

脳の中心にある「線条体」という部位の動きが活発になり、お金をもらったときの

反応と一致したのである。

人間はもちろんお金や、地位が上がればやりがいが出てくるものなのであるが、

それだけでは真の「動機付け」にはならない。

「やらされ感」から「達成感」になり、周りから認められ「よく頑張った!」と

褒められてこそ次なるアクションにつながるものである。

このようなことの積み重ねによる脳の「線条体」の動きを活発にさせる

「褒める・諭すというバランスマネジメント」が報酬よりも大切な要因で

あることを再認識したいものだ。

2008/05/08 15:42

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