ハーズバーグと言う行動科学者の衛生要因論は今でも真実として生きている。
「衛生要因」の代表的なものは給与とか地位とか職場環境などがあげられ、
人間のモチベーションを高めるが、際限がない。
要は不満足の減少でしかあり得ない。一方「動機付け要因」とは組織における
役割や社会から認められることや、仕事の「達成感」などで真にモチベーションを
高める、即ち満足の増加につながる。
先日日経新聞で「褒め言葉は報酬」と言う記事が掲載されていた。
自然科学研究機構・生理学研究所のグループが「褒められた際の脳の動き」を
初めてとらえたと発表されたのである。
その時に喜怒哀楽をつかさどる部位よりも、食べ物やお金をもらったときに
反応する中心部の血流が活発になったとのこと。
褒められることを脳が「報酬」と受け止めることを示すもので、人間の複雑な
行動を科学的に検証する指標の一つになるという。
脳の中心にある「線条体」という部位の動きが活発になり、お金をもらったときの
反応と一致したのである。
人間はもちろんお金や、地位が上がればやりがいが出てくるものなのであるが、
それだけでは真の「動機付け」にはならない。
「やらされ感」から「達成感」になり、周りから認められ「よく頑張った!」と
褒められてこそ次なるアクションにつながるものである。
このようなことの積み重ねによる脳の「線条体」の動きを活発にさせる
「褒める・諭すというバランスマネジメント」が報酬よりも大切な要因で
あることを再認識したいものだ。
コメント
2008/05/08 15:42
meg2008
とても分かりやすいです。
脳というとかつてはとてもむずかしい話題のようでしたが、最近は茂木氏のご活躍で、一般にも身近な話題になってきたのは、うれしい限りです。
脳の働きのうえでも、また感情としても
「ほめられる」ことは大変有効だと私も思います。
高橋様のようにほめじょうずな方が増えるとよろしいですね。