過日の日経新聞で心理学に「学習性無力感」と言う言葉があると
掲載されていた。私もよく事例でお話をするが、気性の荒い魚カマスと
餌の子魚を水槽に入れその間を透明の板で仕切る。
カマスは何回か体当たりを繰り返すが、ムダだと分かると板を外しても
子魚を襲わない、「何をしても仕方ない」とあきらめてしまうのである。
息切れムードの広がる組織に似ている。
実験には続きがあり、別のカマスを水槽に入れると、猛然と子魚に襲いかかる
様子に、無気力だったかカマスが目を覚まし襲い掛かるようになるらしい。
クルト・レヴィンの法則を思い出した。人間の行動をB=f(P・E)であらわす。
Bはbehavior 行動 Pはpersonality 性格 Eはenvironment
環境 fは関数である。例えて言うなら1匹のニワトリがお腹一杯餌を食べたが、
空腹の2匹が混ざり2匹が猛然と食べだすと、お腹一杯の1匹がまた食べだすと
言うのだ。ことほど左様に組織は環境にも大きく影響されることが昔から
理論として引用されている。
組織の中にも猛然と餌に食いかかる人材が必要であるし、
良い環境づくりをすれば周りは必然的に良い方向に向かうものなのである。
なぁなぁでは衰退が待っている。
私は各企業様に入り「猛然と食いかかる刺激役」になろうとしている。
いつも言うことだが5つの(あ)あきらめず・あせらず・あわてず・あなどらず・
あてにせず「学習的無力感」を排除した組織作りが今ほど求められている時はない。
2008/05/15 06:57