組織で一番恐ろしいことは「言いたいことが言えない風土」である。
もちろん愚痴や言い訳ではなく、おかしいな?と思うことが自由に言えない
ことほど恐ろしいものはない。拙著「団塊の転職」にも書いたが
「真剣だったら知恵が出る、中途半端だったら愚痴が出る、いい加減だったら
言い訳ばかり」を私は経験済みである。
最近の企業の不祥事は全て現場の方達は「気づいて」いたのではないか。
NOと言えない風土に大きな問題点を抱えている。
会社の常識が社会の非常識になってしまう。ワンマンなトップほど甘言を好み、
諫言を嫌がるものだ。このようなことを考えている時に、
日経新聞の春秋に「江戸初期の岡山藩主池田光政があるとき、
近頃の自分に大きな過ちはないか家臣に尋ねた。諫言を求めてのことである。
これに泉八右衛門がずばり答えた。<恐れながら、それが嫌にて候>」とあった。
そう!諫言は求めて出るもではない。
トップに君臨すると鼻持ちならないトップ意識が自分では感じなくても
出てしまうものなのだ。
常日頃からの振る舞いや、部下への接し方、有言実行がなければ諫言ではなく
甘言を受け入れてしまう。
自分の後姿をどのように見せているのか?後姿は自分では見ることが出来ない、
鏡で振り返って見れば反対に見えるものだ。常に意識しておれば自然と諫言を
言ってくれる部下が出てくるのではないか。
イキイキした組織から内部告発は出ない。
今ほどトップの正しい姿勢が求められる時はないだろう。
2008/06/25 07:39