先日ある企業で現場の方のヒアリングをしていたら「私の上司は丸投げ」
なのですと言う話が出た。よく聞いてみると仕事を任せる「エンパワーメント」
ではなかったのである。ある会議で上司が「私たちの部門でします!」と
発言されたのだが、職場に持ち帰ると難しいことが判明した。
その上司は部下の彼に「君がやっておいてくれ!」と丸投げし、
逃げてしまったとのこと。部下の彼は必死になり周知を結集して何とか課題が
出来たのであるが、その上司はまるで自分がしたように振舞ったとか?
とんでもない上司であるがこのような話は枚挙にいとまがない。
組織でエリートと言われている人ほど「細かいこともメール」
「現場のことは知らない」「一緒に汗をかかない」「部下が必死で提案した
内容など理解しない」などの傾向があることは実感している。
即ち「知識」が「意識につながり知恵」に出来ていないのだ。
問題があるのは現場の人間で、指示が理解出来ない部下が悪いと
「他責」にしてしまう。
鼻持ちならないエリート意識と仕事が出来ることとは全く関係がない。
ビジネスコンサルがあるべき姿を述べられても、実際に経験していなければ
何の意味もなさないのではないだろうか?
焼け火箸をにぎった人こそ「その熱さは分かる」のである。
リーダーたるもの「自分の後姿」を堂々と部下に見せられているだろうか?
後ろは自分では見えないものである。鏡に映してみると全く逆に見えるが、
それが自分だと思うと極めて怖い。
職場の空気を良い意味で読み取れる上司は丸投げしない。
2008/07/02 20:31