人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2008年7月 2日

丸投げ上司(ビジネスサプリメント319号)

先日ある企業で現場の方のヒアリングをしていたら「私の上司は丸投げ」

なのですと言う話が出た。よく聞いてみると仕事を任せる「エンパワーメント」

ではなかったのである。ある会議で上司が「私たちの部門でします!」と

発言されたのだが、職場に持ち帰ると難しいことが判明した。

その上司は部下の彼に「君がやっておいてくれ!」と丸投げし、

逃げてしまったとのこと。部下の彼は必死になり周知を結集して何とか課題が

出来たのであるが、その上司はまるで自分がしたように振舞ったとか?

とんでもない上司であるがこのような話は枚挙にいとまがない。

組織でエリートと言われている人ほど「細かいこともメール」

「現場のことは知らない」「一緒に汗をかかない」「部下が必死で提案した

内容など理解しない」などの傾向があることは実感している。

即ち「知識」が「意識につながり知恵」に出来ていないのだ。

問題があるのは現場の人間で、指示が理解出来ない部下が悪いと

「他責」にしてしまう。

鼻持ちならないエリート意識と仕事が出来ることとは全く関係がない。

ビジネスコンサルがあるべき姿を述べられても、実際に経験していなければ

何の意味もなさないのではないだろうか?

焼け火箸をにぎった人こそ「その熱さは分かる」のである。

リーダーたるもの「自分の後姿」を堂々と部下に見せられているだろうか?

後ろは自分では見えないものである。鏡に映してみると全く逆に見えるが、

それが自分だと思うと極めて怖い。

職場の空気を良い意味で読み取れる上司は丸投げしない。

2008/07/02 20:31

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