D・カーネギーの話し方教室(ビジネスサプリメント(325号)
もう30年以上前の話である。D・カーネギーの話し方教室に夜半年間通った。
メンバーは確か老若男女15名ぐらいであったと記憶する。
仕事で疲れているのにしんどいなぁと思ったことは度々だった。
名著の2冊は読破しなければいけなかった。毎回各人が確か5分ぐらいの
スピーチをするのである。時間オーバーは許されなかったし、指導者はあまり
何も言われない。テーマが与えられたり、モノを使ったりいろいろなパターンが
あった。そして最後には参加者が「誰のお話が一番印象に残ったか?」を投票
し、1位になった人は確か「ボールペン」がもらえるのである。
私も必死でお話の組み立てをした記憶があるが、情けないことに1位になったのは
半年間で1回だけ・・・・・・・・・・
その時に講師が言われたのは「NHKのアナウンサーは素晴らしい話し方だが、
それを求めているのではない」と、要は「聴き手の心に如何に印象的にお話が
出来るのか?」が問われると言うことであった。
特に今でも印象に残っているのはある老看護婦の方のお話だった。
決して流暢な話し方ではない、訥々としたお話の仕方であるが
ある死の病に侵された患者さんとのお話であった。そのお話をお伺いして
、この方が献身的な看護をされている様子が目に浮かんだのである。
私もこの方に投票したのを記憶している。そう!「講釈師見てきたような嘘を言い」
ではなく自分の言葉で心から話されているのである。
それ以来、私は出来る限り解説的な話はせず、実際に体験したり感じたりしたことを
分かりやすくお話するようにしている。
この体験が今の仕事につながっているのではと確信する。
2008/08/07 05:49