人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2008年11月19日

真の気づき(ビジネスサプリメント340号)


ある企業で中堅管理職の方とヒアリングをさせていただいた時のことである。

最初は非常に悩んでおられるようで反応が鈍く、覇気も全く感じられなかった。

ご性格からくるのもあったが、人間関係で悩んでおられた様子でもあった。

何回かお話をしていると「仕事は好きだが、人のマネジメントは苦手であり

迷い道に入ってしまった」とご自分で話されたのである。

少し気づきが出てきた証拠、上司の方や部下の方にもそれとなく聞いて見たら、

少しは明るくなられたようだった。

私は思い切って「役職と仕事」の両立は難しそうなので、どちらを選びたいのか?

を確認してみた。そうすると「仕事に打ち込んでいる時が一番楽しい」とお話になる。

その意を受けて上司の方も思い切って彼の役職をはずし、新しい職場で好きな

仕事に打ち込める状況を作ってあげる決意をされた。

異動後に彼とヒアリングをしたら終始笑顔で話されるではないか。

驚いたのは彼の口から「今回は私にとって最後のチャンスですね!」と言われた。

正直びっくりしたが、そう「後はあなたが実績を残し自分にも会社にもプラスに

なるように実践するしかない」と申し上げた。

いくらお話しても「ご自分で気づかれないと次の道は拓けない」。

今回のヒアリングの場は彼の「踊り場」だったのではないか?

一度着地して、機体整備・燃料補給をして次へのフライト(新しい出発)の場

だったのである。この方の新たな道が拓けることを期待するし、

これからの彼の活躍が楽しみである。

2008/11/19 11:49

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