人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2008年12月 3日

人材はコスト?(ビジネスサプリメント342号)

最近の世界的金融危機からの不況感の蔓延は凄まじいものがある。

減収・減益、倒産など枚挙にいとまがない。厚生労働省が発表した

就業形態の調査によると労働者に占める非正社員の割合は37,8%となり、

実に4割弱になっている現実がある。前回調査(2003年)から3,2%も上昇

したのである。要は非正社員が雇用の調整弁なのだ。

解雇や派遣契約の打ち切りなどは連日報道されている。もちろん最初から

非正社員を希望している方は別であるが、そうでない場合は深刻な問題である。

短期的視点で「人材はコスト」と考えることが果たして企業経営の上で正しいもの

なのだろうか?企業は終身雇用を保証し、社員は忠誠心で応えるという時代は

過ぎ去ったかもしれない。つい最近までは団塊の世代が定年を迎えるということで、

新卒の信じられないような大量採用がまかり通っていた。

しかし今、内定取り消しが相次いでいるというではないか。「人材はコスト」である

と共に「人材は最大の経営資源」と捉える観点がどこかへ消え去っているような

気がする。今求められるのは「組織内で自立した人材」を如何に育てていくことなのだ。

会社にぶら下がる生き方はもう通用しないことはいうまでもない。

「仕事を通して自己実現や貢献度が感じられるか」が大事な時である。

「自分」が主語であり、自らの「気づき」で動ける企業は強いし、

モチベーションは「話やすい職場の雰囲気や組織のコミュニケーションの質や量」

と大きく関係する。今こそ、管理一辺倒の組織よりもタテマエや規則ばかりではなく、

良い意味でホンネが言える組織が生き残るのではないだろうか。

2008/12/03 07:56

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