最近の世界的金融危機からの不況感の蔓延は凄まじいものがある。
減収・減益、倒産など枚挙にいとまがない。厚生労働省が発表した
就業形態の調査によると労働者に占める非正社員の割合は37,8%となり、
実に4割弱になっている現実がある。前回調査(2003年)から3,2%も上昇
したのである。要は非正社員が雇用の調整弁なのだ。
解雇や派遣契約の打ち切りなどは連日報道されている。もちろん最初から
非正社員を希望している方は別であるが、そうでない場合は深刻な問題である。
短期的視点で「人材はコスト」と考えることが果たして企業経営の上で正しいもの
なのだろうか?企業は終身雇用を保証し、社員は忠誠心で応えるという時代は
過ぎ去ったかもしれない。つい最近までは団塊の世代が定年を迎えるということで、
新卒の信じられないような大量採用がまかり通っていた。
しかし今、内定取り消しが相次いでいるというではないか。「人材はコスト」である
と共に「人材は最大の経営資源」と捉える観点がどこかへ消え去っているような
気がする。今求められるのは「組織内で自立した人材」を如何に育てていくことなのだ。
会社にぶら下がる生き方はもう通用しないことはいうまでもない。
「仕事を通して自己実現や貢献度が感じられるか」が大事な時である。
「自分」が主語であり、自らの「気づき」で動ける企業は強いし、
モチベーションは「話やすい職場の雰囲気や組織のコミュニケーションの質や量」
と大きく関係する。今こそ、管理一辺倒の組織よりもタテマエや規則ばかりではなく、
良い意味でホンネが言える組織が生き残るのではないだろうか。
コメント
2008/12/03 07:56
R・M
人材は経営資源。だけど企業の業績が過度に悪化した場合、経営者がコストである人材をカットしたくなるのも分からないでもないです。
ただ、なんとなくその企業で働いていた方とは違い、その企業の成長のために一心に努力した方々にとっては悲劇としか言えないですね。
短期的視点からむやみに人材をカットし、企業の本当の体力が低下してしまわないよう、適切な判断がなされることを期待したいところです。
このような状況を見るにつけ、高橋さんが言われるように企業にぶら下がるような生き方は本当に危ういものだと感じます。
組織内で自立性を持ち、企業に必要とされる人材となることを目指すことも必要ですが、たとえ景況が悪化し、企業の体力の低下から自身のカットを余儀なくされても、それでも自分の力で生きていけるスキルと自立性を持ち、社会から必要とされる人材となることを目指さなければならないとも思います。
私は今、将来の為に勉強をさせていただいている身ですが、願わくば、そのように一企業に左右されない自立性を持った働き方ができるようになりたいと思っているところです。言うのは簡単ですけれども…(^_^;)