ある企業で個別ヒアリングをしていた時のことである。入社1年目の
優秀で問題意識旺盛な社員の方だったが、わずか3ヶ月ほどで全く
生気がなくなってしまっていた。「どうしたの?」の聴いても話さない
状態が続いたが、その内に徐々に話し始めた。どうやら自分の仕事に
対する思いと、組織の中の現状とのミスマッチを起こしているようなのだ。
目標とする自分の目線と組織に対する自分の目線が食い違い、
思い込んでしまっている様子が感じ取れた。
メンタルヘルスの問題まで進んでは大変であるが、
それは大丈夫の様子だった。
拙著「気づける人はよみガエル」の中にも述べたが
「気づくことが出来れば<迷路を真上から見る>ことが出来る、
気づかない人はいつまでも<茹でガエル>であり、<蘇る(よみガエル)>
にはならない」と言うフレーズを思い出した。そう!この方は数段も上を
見過ぎておられるのだ、したがって当然ギャップはある、
そんなにユートピアの組織なんてあり得ないと思う。
そこで「もう数段目線を落として、現場を直視したらどうか?
そうすると今まで見えていないことも見えてくるし、
自分自身が楽になるのではないか」、そして着実に一段ごと
登っていこうよと申し上げた。
そうすると、急に気づかれたのか、うなずかれるではないか!
「そうですね!あまりにも悪い部分ばかりに目が行き、良い部分を
見ようとしていなかった自分がありました」と言われる。
また次回にゆっくりお話しようと言う事になり、
終わった時は「何時もの素晴らしい笑顔」に戻られたのである。
2009/01/28 07:04