人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2009年1月28日

目線の高さ(ビジネスサプリメント351号)

ある企業で個別ヒアリングをしていた時のことである。入社1年目の

優秀で問題意識旺盛な社員の方だったが、わずか3ヶ月ほどで全く

生気がなくなってしまっていた。「どうしたの?」の聴いても話さない

状態が続いたが、その内に徐々に話し始めた。どうやら自分の仕事に

対する思いと、組織の中の現状とのミスマッチを起こしているようなのだ。

目標とする自分の目線と組織に対する自分の目線が食い違い、

思い込んでしまっている様子が感じ取れた。

メンタルヘルスの問題まで進んでは大変であるが、

それは大丈夫の様子だった。

拙著「気づける人はよみガエル」の中にも述べたが

「気づくことが出来れば<迷路を真上から見る>ことが出来る、

気づかない人はいつまでも<茹でガエル>であり、<蘇る(よみガエル)>

にはならない」と言うフレーズを思い出した。そう!この方は数段も上を

見過ぎておられるのだ、したがって当然ギャップはある、

そんなにユートピアの組織なんてあり得ないと思う。

そこで「もう数段目線を落として、現場を直視したらどうか?

そうすると今まで見えていないことも見えてくるし、

自分自身が楽になるのではないか」、そして着実に一段ごと

登っていこうよと申し上げた。

そうすると、急に気づかれたのか、うなずかれるではないか!

「そうですね!あまりにも悪い部分ばかりに目が行き、良い部分を

見ようとしていなかった自分がありました」と言われる。

また次回にゆっくりお話しようと言う事になり、

終わった時は「何時もの素晴らしい笑顔」に戻られたのである。

2009/01/28 07:04

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