世界的金融大不況による雇用不安、特に非正規労働者に対する3月末の
期間満了による契約解除がかなり出てきそうだ。
そこで出てきたのが「ワークシェアリング」の考え方なのだ。
「ワークシェアリング」とは<従業員同士で雇用を分け合い、各人の労働時間を
短くする時短によるものが典型的なやり方」と定義される。
内閣府によれば「雇用維持型」=不況などで企業の業績が悪化した際に、
一人当たりの労働時間を減らすことによって企業全体での雇用を維持するものと、
「雇用創出型」=様々な業務ごとの短時間労働を組み合わせることによって、
雇用機会を増やす<オランダ型>にわかれるようだ。
しかし日本の風土で定着するか極めて疑問を感じる。もちろんみんなの報酬は
減額されるし、日本型雇用になじむだろうか?
いち早く派遣切りが進む企業に取り入れることが出来るのだろうか?
アメリカではあるが、ビッグ3のトップが自家用飛行機で移動するような状況で、
トップは現場の痛みが分かるのだろうか?
ここで考えて見たいのはこの大不況下「ワークシェアリングにもっと
<ペインシェアリング>」の考え方を取り入れないといけないのではか。
そう!痛みをみんなで分かち合って耐えしのぐ合意が出来なければ掛け声だけに
終わってしまう。
マズローの欲求5段階説を思い出したが①生理的欲求②安全安定欲求
③社会的欲求④自我欲求⑤自己実現欲求があり、低次の欲求が満たされないと
高次の欲求は満たされないというものだ。
生理的欲求すら満たされない非正規労働者にモチベーションを高めよ!
とは言い辛い。高次の欲求が満たされた人々から痛みを分かち合ってこそ、
組織の一体感が醸成されるのではないだろうか?
今こそ雇用と企業の柔軟な経営を両立出来る道を真剣に模索すべき時だと確信する。
2009/01/21 22:06