人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2009年3月 9日

「気づき」は人をよみがえらせる(ビジネスサプリメント357号)

お手伝いしていた企業ヒアリングの幹部候補生の方のことを述べてみたい。

最初はツッケンドンで生意気な30歳半ばの人物だった。国家資格も取っており

自信満々、独立志向が強い方だったのである。最初は私の話も違う世界の

人間が何を言っているのかと言うムードが蔓延していた。

彼はその後職場が変わり半年後に再びヒアリングの場面があった。

その時の彼の顔は全く違うのである。心からの笑顔があり、凄く自分の気持ちを

ストレートに表現してくれたのである。

物事の捉え方も「マイペース」ではなく、周りの空気が読めているし謙虚なのである。

そして如何にも「誠実」だった。

私はどうしたの、随分前とは違うね?と尋ねたら、以前は自己中心的な自分が

あったが「自分自身の立ち位置」が分かったと言うではないか!

チームをワークさせていくためには、自分の役割を完全に果たしていないことには

始まらないと言う。いささか残業も増えたらしい。

びっくりしたのはご家族、特に奥様が「この頃帰りも遅いが、何だかイキイキして

いるね!やりがいが出てきたのでしょう!体には気をつけて頑張ってね、

家のことは心配しなくても良いから」と言われたそうだ。凄い奥様である。

顔つきも以前とは全く違い真摯な姿勢である。独立なんて今の時点では

全く考えていない、先ずはこの会社で自分の力を思い切り出すことしかない

という気になったようだ。彼の「気づき」の原因はその上司の後姿だったようである。

彼曰く以前私に教えてもらったように「自分が変わらないと、周りが変わらないし、

また変われば見えていなかったものが見えてきますね」と言うではないか。

こんな社員の方々が増えてくると、その会社は強くなる。

そう!「自分で気づくことが真の変革」になるものだと思い知らされた。

2009/03/09 07:28

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