現在の大不況や閉塞した社会では「変革」「改革」が叫ばれて久しいし、
まさにCHANGEの時なのだろう。しかし上手く改革が出来ている事例
にはめったにお目にかかれない。
丹羽宇一郎氏が朝日新聞で「メタボのおなかをたたいてみれば、
カイカク、カイカクの音がする」という川柳を掲載されていたが、
思わずうなってしまった。
世の企業の多くはメタボ化した組織をスリムにするため
「安易な人員削減」が行われている。しかし本当にそれでスリム化
するのだろうか?第一生命保険のサラリーマン川柳の2位に
「久しぶり、ハローワークで 同窓会」とあったが笑い事では
すまされない現状である。人員削減する側は働く人たちのマインドを
考えたことがあるのだろうかと疑問に思う。
安易な人員削減や、人件費減額では優秀な人材がいなくなり、
人時生産性が著しく落ちてくるだろう。
残った人達のモチベーションは著しく落ちるし、贅肉落としが
結局は筋肉を落としてしまう、目に見えない手抜きが起こる、
短期の数字に一喜一憂すると言ったことが起きないか。
またもっと身近な無駄を忘れてはいないか、無駄な会議、
無駄な交通費、無駄な残高、無駄な光熱費などまだまだ手を
付けなければいけないところを疎かにしてはいないだろうか。
コストカットよりもっと大事なのは社員の心や改革の精神である。
社員一人一人が改革のマインドを持って行動することがありき
ではないだろうか。
改革とはまずは各自の「気づき」からしかなし得ない。
そのためには経営者自らが「変わらなければならない」し、
自ら変われば周りは変わるものである。
職場がギスギスしていては改革どころか、やる気喪失病が蔓延する。
この川柳の6位に「ストレスか?聞かれる上司がその原因」
になってはもう破滅である。
2009/05/24 07:02