以前小売業のトップが言われた「我々の競争相手は同業他社ではない、
変化するお客様のニーズである」と言う言葉が忘れられない。
今、時代は「変化対応」がさけばれて久しいが「変化対応」では
後追いになり、何の効果も出ないことが多いのではないだろうか。
日経新聞に旭化成の社長が「トンネルをぬけると雪国であった、
小説の通りなら、春が来くれば草木がまた生えてくるだろうが、
<北極>と考えた方がよい、スキやクワを捨てて、弓矢をとってアザラシ
を追わなくてはだめだ」と言われたとか。即ち既存の事業モデルを守って
回復を待つだけでは危ないのである。
また私も随分昔に「対応とは相手に合わせて動くことで、得てして競争相手
の後追いになる」と思った時もあった。
そう!「頭が痛いから、頭痛薬を飲む、お腹が痛いから腹痛薬を飲む」のでは
単なる「対応」であって、「頭やお腹が痛くならない体をつくる」ことが
最も大事なのである。即ち「生物の進化と同じ様に環境に合わせて自分が
変わるのが大事であり、焦点はあくまでもお客様に絞ること」がポイント
なのである。対応は「相手のやり方に応じてことを進めること」であり、
適応は「環境に合うように変わること」なのである。
具体的にはインドのタタ自動車が発売した小型乗用車「ナノ」は20数万と
言う驚きの価格ですごく売れていると聞く。100年に一度の変革期に入った
今日、後追い型では通用しないし、常に環境の変化を先取りするやり方で
なければならない。解は「現場」の意見を結集し、現場の知恵を生かす
ことしかない。恐竜が滅びたように「大きくなれば総身に知恵がまわりかね」
になってはいけない。世の中の少しの変化から「仮説」を立てて果敢に挑む
マインドがなければ、ずっと冬のままになるかもしれない。
2009/06/07 06:58