人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2009年6月 7日

変化対応では遅い(ビジネスサプリメント370号)

以前小売業のトップが言われた「我々の競争相手は同業他社ではない、

変化するお客様のニーズである」と言う言葉が忘れられない。

今、時代は「変化対応」がさけばれて久しいが「変化対応」では

後追いになり、何の効果も出ないことが多いのではないだろうか。

日経新聞に旭化成の社長が「トンネルをぬけると雪国であった、

小説の通りなら、春が来くれば草木がまた生えてくるだろうが、

<北極>と考えた方がよい、スキやクワを捨てて、弓矢をとってアザラシ

を追わなくてはだめだ」と言われたとか。即ち既存の事業モデルを守って

回復を待つだけでは危ないのである。

また私も随分昔に「対応とは相手に合わせて動くことで、得てして競争相手

の後追いになる」と思った時もあった。

そう!「頭が痛いから、頭痛薬を飲む、お腹が痛いから腹痛薬を飲む」のでは

単なる「対応」であって、「頭やお腹が痛くならない体をつくる」ことが

最も大事なのである。即ち「生物の進化と同じ様に環境に合わせて自分が

変わるのが大事であり、焦点はあくまでもお客様に絞ること」がポイント

なのである。対応は「相手のやり方に応じてことを進めること」であり、

適応は「環境に合うように変わること」なのである。

具体的にはインドのタタ自動車が発売した小型乗用車「ナノ」は20数万と

言う驚きの価格ですごく売れていると聞く。100年に一度の変革期に入った

今日、後追い型では通用しないし、常に環境の変化を先取りするやり方で

なければならない。解は「現場」の意見を結集し、現場の知恵を生かす

ことしかない。恐竜が滅びたように「大きくなれば総身に知恵がまわりかね」

になってはいけない。世の中の少しの変化から「仮説」を立てて果敢に挑む

マインドがなければ、ずっと冬のままになるかもしれない。

2009/06/07 06:58

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