人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2009年6月14日

現場の声(ビジネスサプリメント371号)

昔MBWAと言う言葉が流行った。マネジメント・バイ・ウオーキング・

アラウンド(歩き周る経営)の略である。

私の講演もこの現場巡回の出来事ばかりをお話しするし「現場が命」

なのである。「答えは現場にしかない」が「答えが現場にかなしい」

になってしまっては、現場が疲弊し成果は出ないことが明白である。

以前スズキ自動車の鈴木会長兼社長が「夜勤の人は大変な苦労がある、

したがって時々夜勤の現場を訪れて声をかけている」と述べておられた

ことを思い出した。夜勤で働いている方は「そうか!我々のことも見て

いただいているのか!」とヤル気がますます出てくるものである。

私も「現場巡回のマネジメントが一番大切」と思い続け、

今日に至っている。最近特に感じるが、高邁な理論やスキルも決して

否定はしないが、一番大切なのは「現場目線」であると言うこと、

現場へ行けば問題が見えることを忘れてはいけない。

最近の日経新聞にも「アメリカのノルマンディ上陸作戦で、アイゼンハワー

最高司令官が、前線の部隊を頻繁に訪ねて兵隊の話を聞いた、そうすれば

兵隊たちの本当の気持ちをつかむことが出来る」と掲載されていた。

不安な表情をしている兵隊を見つけると、本音を引き出すように自分も

同じ気持ちだと語りかけ励ましたそうだ。私も元職場では仕事の半分以上は

現場を見ることだった。トップになった時こそ、現場目線を忘れてはならない。

現場を見ればお客様の変化、商品の変化、販売員の表情や態度や言葉遣いが

丸見えである。そこから問題点を共になって解決していくのである。

あるメーカーで「今度の部長は現場に全く来ない」と言う声を聴いた

ことがあった。「問題点や悩みや困ったことを聞きだしてこそモチベーション

がアップするのであり、デスクワークだけからは解決しない」。

2009/06/14 06:54

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