人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2009年9月 6日

ハラスメントを考える(383号)

ハラスメントとは「人権を侵害するいじめ、嫌がらせ、差別」などを

言うが「セクハラ」「パワハラ」「モラハラ」など叫ばれて久しい。

先日ある研修でフランスに留学されていた方から聞いたお話であるが

「アルバイトをしていたら、ある男性が体を触るので非常に困っていた」

とのこと。現地の女性の友人に相談したら「そんな男はぶん殴れ!黙って

いるからダメなのだ」と言われたそうだ。まさかぶん殴るわけにいかず

「止めて欲しいと!」毅然とした態度でにらみつけたらぴたっと止まった

とのこと。お国柄とは言え「自分のことは自分で守るのが基本」を学んだ

と言われた。そう!あいまいにしてしまうからセクハラ・パワハラもまかり

通るのかもしれない。もちろんそのようなことが起きない風土を作ることが

ありきは言うまでもないが。恥ずかしいから黙っている、対価型(断るなら)

を恐れて黙っていてはいけない。みんなが相手に思いやりを持って接する

気持ちや、リスペクトの念を持つこと、その上で自分の言動を問われた時、

筋の通った説明が出来ないといけないのである。そんな風土からはハラス

メントは起こらない。

先日ある企業様で女性管理職の方とヒアリングをしていた時のことである。

その方は大変問題意識も旺盛で輝いておられる方だった。私が「あなたは

素晴らしいお力を発揮されている、どんどん女性の方々の活躍の場を広げて

いかないといけないので、是非良いお手本になっていただきたい」と申し

上げた。そうすると「女性だからと言う見方はしないで欲しい、能力のある

人はどんどんと活躍の場を与えてあげて、男女関係なく公平に見て欲しい」

と言われたのである。真っ当なご意見である、言った私が恥ずかしかった。

ことほど左様に誠に難しい問題である。何がセクハラで何がパワハラを

考えることも非常に大事だがやや枝葉の感じもする、幹は「男女関係なく

信頼関係を構築し尊敬の念を忘れない」ことが最も大事ではないだろうか。

そのバランス感覚を忘れないような風土作りが急がれる。

2009/09/06 07:17

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