人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2009年10月 4日

気づかせ屋(ビジネスサプリメント387号)

NHKTVで長島氏と王氏の50年間にわたるドキュメント番組が放映されていた。

ONの華やかなデビュー時代から現在に至るまでの内容である。天才と努力家

と言われたお2人であるが、陰では凄い猛練習をされたからあの素晴らしい

スーパースターになられたのである。お2人に共通するのは「華やかな現役」

「監督時代の挫折と復活」「病魔との闘い」であった。

良き選手必ずしも良き指導者にはならないと言われることが多いが、両氏にも

そのように言われた時があったようだ。即ち「自分目線=自分の能力が基準」

と思って指導するので、付いていけない選手が出てくるのだろう。

プロだから厳しさは当たり前、しかし選手にはいろいろなタイプがあり押し

付けると伸びない傾向がある。王氏が語られたが厳しく指導ばかりしている

と選手との距離が出来てしまう、一緒に飲み食いし特にコミュニケーションを

大切にされたらしい。悪いところを厳しく指導するよりは「良い部分を伸ばす」

ことが効果的であり、「ナイス!」という言葉を連発されたそうだ。

組織の中で伸び悩んでいる方も、手抜きで仕事をしている人は殆どおられない

と信じるし、また適材適所でない状態の方もおられるだろう。

宮大工の西岡棟梁が言われた「南に生えている檜は南側に、北に生えている檜は

北側に使う」ことが大事という言葉を思いだした。

王氏が語られた「我々指導者は気づかせ屋」と言う言葉が印象的だった。

自分が「そうだ!」と気づき、やらされ感ではなく自ら努力させることが成果

へとつながるのである。長島氏や王氏も「どん底」を見られたから克己心

(自分自身との闘いを克服する心)をお持ちになられているし、未だに気迫を

感じる。組織の指導に携わる方々は「その方の良い部分を伸ばす」「同じ目線」

「スキルだけではなくその方を伸ばしてあげようという気持ち」を忘れては

ならない。「気づきナビゲーター」の私は今後も沢山の方々の「気づかせ屋」

になっていきたいと心した。

2009/10/04 06:54

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