先日朝日新聞に掲載されていたが、今回の総選挙で女性議員もこれまでで
最も多い54人となり、11.3%と初めて1割を超えたそうだ。しかし世界的に
見れば女性議員の比率は134位から120位前後だとか。少子高齢化の現在
中高年の方々の活用と共に女性の力をどう活かすのかが極めて大切なことに
なってくる。また政治や経済活動への女性参画状況を示す「ジェンダー・
エンパワーメント指数」は108カ国中58位であり、先進国の中では際だって
低いのである。まだわが国には「男は外で働き、妻は家庭を守る」という
伝統的な意識があるようだが、この厳しい経済状況下ではそのような考え方は
通用しない。夫婦2人で働くことが当たり前になりつつあり、女性は労働力人口
の4割以上になるようだ。したがって家事・育児・介護などのバリヤの解決も
大変重要な問題である。
元職場である優秀な女性社員が上司に「実は今度結婚します」と報告したら、
何とその上司は「何時辞めるの?」と答えたことがあった。その方はまだまだ
働きたい意思を持っておられたのだが「もう辞める」という事態になったことを
思い出した。誠に残念なことである。真に実感することなのだが「消費者目線」
は遥かに女性の方が持っておられることも確かな事実である。
ある研究では「女性が活躍している企業」は業績も素晴らしいことが実証されて
いる。最近ある企業で優秀な女性社員とヒアリングした時に「あなたは女性社員」
のモデルになって輝いて欲しいと申し上げたら、「女性社員だから」という見方は
しないで欲しいと言われ大いに反省したことがあった。
いびつな人口構成の現在、感性豊な女性がイキイキ活躍出来る職場をもっと作って
いくべきではないだろうか。女性が働きやすい職場は男性も働きやすいのである。
男性のセカンドキャリアを考え「伝承役」として期待することも大切な問題で
あるが、女性が働きやすい職場を促進し働く人たち1人ひとりが持っている多様な
能力が発揮できる社会にならないと、グローバルな競争には勝ち残れないのでは
ないだろうか。
2009/10/11 07:20