私達団塊の世代前後の人間は確かに「モーレツ型」が多かったように思う。
そして「今の若い人は何を考えているのか良く分からない、こんなことぐらい
我々の時代は当たり前だった」とつぶやくことがしばしばあるのも現実である。
言い過ぎかもしれないが我々世代は「個人よりも組織」を優先する癖が付いて
いたのである。仲間や先輩といろいろと議論しても決して後に残らないし、
また楽しく飲みに行ったものだった。要は良い意味での「一体感が醸成」されて
いたのではないだろうか。
確かに最近の若い人達は「仕事が終わってまで、何故一緒にお付き合いしなけ
ればならないのか?」「自分の時間を大切にしたい!」と言う傾向を感じる。
しかし数多くの若い人達と個人ヒアリングをしていると「我々の思い込み」
があるのではないかと感じることが多いように思う。最近の若い人達も
「たまにはリラックスしてワイワイガヤガヤと飲みにも行きたい」と言われる
方もかなりおられる。世代の変化は確かに起きているし、それは当たり前の
ことである。我々世代が「昔はこうだった!」なんてことを言うから嫌がら
れるのである。今も昔も世代感覚は違っても「幹になる思い」は同じでは
ないだろうか。最近私のセミナーを受講された方から次のようなメールを
いただいた。「コーチング研修を受け何とか活かそうと思っていたが、
なかなか上手くいかない、高橋が言ったその方をどのように育成したいかと
言う熱い思いがなければ、スキルなんて枝葉はすぐ枯れ落ちると言う言葉に
気が付いた」と言われたのである。メールでは分かりにくいのでお電話して
みたら、まだ若い方ではないか、その方が言われるにはノウハウばかり身に
付けることも大切ではあるが、もっと大切なことがあることを忘れていたと
言われた。世代が違えば表し方も違ってくるが、個人も組織も大事であり
「個人を活かす組織」が今求められていることを確信した次第である。
我々世代も若い方の振る舞いを感覚的に受け入れにくくても、意識的に相手の
立場も認めていくスタンスが求められる。
2009/10/18 07:22