ある中小企業様を訪れた時のことである。訪問は2回目であったが会社に入るや
否や事務所ではなかったが、会う人全てが儀礼的ではなく笑顔で元気よく挨拶
されるではないか。事務所に入ってお手洗いをお借りしたが、若い方が控えめ
にスリッパをそろえられている光景を目にした。私は思わず「素晴らしいです
ね!」とお声をかけたら「とんでもないです!当たり前のことですから」と
言われた。何とさわやかな、感じの良い会社なのだろうと感心した。
皆さんには「やらされている」という雰囲気は全くない、まるでご自分のお家
感覚で行動されている。「大きな声でご挨拶」「常に笑顔で接しよう」なんて
スローガンをいくら掲げていても出来ていなければ何の意味もない。
トップの方にそのことをお話したら「現場の行動で理解しているからでしょう」
と言われた。そう!高邁な企業理念をいくら掲げても「実践」されなければ意味
はない。元職場で「ニコニコ・ハキハキ・キビキビと笑顔で接しよう!」と掲げ
ていたが、大勢の方たちの中では単なるスローガンだけに終わってしまった経験
があった。そこで皆さんに考えていただくコピーをシリーズで考え出したので
ある。まずは「あなただってお客様」とシンプルに表現した、即ち今はお客様に
ものを売る立場であるが、「あなたがお客様になる時もある、その時にどのよう
に接してもらえば気持ちが良いだろうか?」を考えて接してみようとのメッセー
ジを徹底した。最初は戸惑われた方が多かったがその主旨を良く理解される方が
大勢出てきてサービスレベルの評価が上がっていったことがあった。
また「あなたがいるからまた来たい」を第二弾で掲げたら、懸命にお客様の立場
に立った応対が増えて「リピーターのお客様」も増えたことがあった。
難しい言葉は現場での行動につながらないものである。「何故その言葉なのか、
その言葉は現場でどのように行動すれば良いのかを気づかせる」事が大切であろう。
理念と現場目線が一致してこそ職場はイキイキするものである。
2009/11/01 08:23