人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2009年11月 1日

理念の徹底は行動から(ビジネスサプリメント391号)

ある中小企業様を訪れた時のことである。訪問は2回目であったが会社に入るや

否や事務所ではなかったが、会う人全てが儀礼的ではなく笑顔で元気よく挨拶

されるではないか。事務所に入ってお手洗いをお借りしたが、若い方が控えめ

にスリッパをそろえられている光景を目にした。私は思わず「素晴らしいです

ね!」とお声をかけたら「とんでもないです!当たり前のことですから」と

言われた。何とさわやかな、感じの良い会社なのだろうと感心した。

皆さんには「やらされている」という雰囲気は全くない、まるでご自分のお家

感覚で行動されている。「大きな声でご挨拶」「常に笑顔で接しよう」なんて

スローガンをいくら掲げていても出来ていなければ何の意味もない。

トップの方にそのことをお話したら「現場の行動で理解しているからでしょう」

と言われた。そう!高邁な企業理念をいくら掲げても「実践」されなければ意味

はない。元職場で「ニコニコ・ハキハキ・キビキビと笑顔で接しよう!」と掲げ

ていたが、大勢の方たちの中では単なるスローガンだけに終わってしまった経験

があった。そこで皆さんに考えていただくコピーをシリーズで考え出したので

ある。まずは「あなただってお客様」とシンプルに表現した、即ち今はお客様に

ものを売る立場であるが、「あなたがお客様になる時もある、その時にどのよう

に接してもらえば気持ちが良いだろうか?」を考えて接してみようとのメッセー

ジを徹底した。最初は戸惑われた方が多かったがその主旨を良く理解される方が

大勢出てきてサービスレベルの評価が上がっていったことがあった。

また「あなたがいるからまた来たい」を第二弾で掲げたら、懸命にお客様の立場

に立った応対が増えて「リピーターのお客様」も増えたことがあった。

難しい言葉は現場での行動につながらないものである。「何故その言葉なのか、

その言葉は現場でどのように行動すれば良いのかを気づかせる」事が大切であろう。

理念と現場目線が一致してこそ職場はイキイキするものである。

2009/11/01 08:23

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