NHKのドキュメント番組で楽天の野村監督の采配が放映されていた。
野村監督はID野球でデーターを重視されるとばかり思っていたがそうでも
ないようだ。残念ながら今期で辞任されるようだが4年間もかかり今の
寄せ集めチームを変貌されたのだ。試合ごとの「ぼやき」ももう聞かれない
のは残念である。選手育成法に1流選手には非難、2流選手には褒める、
3流選手は無視と聞いたことを記憶している。
一番変わったのは「選手が自分で考えて動けるようになったこと」とコメント
されていた。首位打者の鉄平選手は和製イチローといわれ続けたが今期は大きく
花が咲いた、ノーアウトランナー2塁の時に一塁ゴロを打って「よし!」とうな
ずいているではないか。そう!野球の鉄則で3塁に転がしてもランナーは進塁
しにくいが1塁であれば進塁できる、もちろんヒットが一番良いのだがランナー
3塁になると得点の可能性が高まるのである。また渡辺選手が1塁に出た時に
盗塁は様子を見ろのサインであったが、渡辺選手がピッチャーのモーションを
見て確実に盗塁出来るとベンチにサインを送り見事に成功した場面もあった。
ベテランの山崎選手もチームリーダーとして気を抜いた選手に懸命に諭している
姿があった、ベテラン選手の後姿は美しいものだ。みんな言われなくても一体感
が生まれてチームが動いているのが映し出されていた。打率は昨年より悪い、
防御率も昨年より悪いのに勝ち越し11の貯金も出来たのである。残念ながら
日本シリーズには出られなかったが、きっとメンバーは更に学習したことだろう。
管理野球にはどこかに「やらされ感」が付きまとうが考える野球には「達成感」
が生じるのである。これは企業組織にも当てはまる、もちろんスピード感が求め
られるがメンバーが主体的に動いている組織は強いものだ。そこには自然に状況を
読みとる力が付きその変化対応が素早いのである。だから成果となって残るもの
なのだ。組織についてのお話をすることが多いがやはり強い組織には
「無形の力=気づき」が生まれているのである。この番組を見て改めて確信した
次第である。
2009/11/08 06:43