日経の春秋で掲載されていたが「いい会社をつくりましょう」、そんな社是を
掲げた食品会社が長野県の伊那食品工業だそうだ。たびたび雑誌や新聞で取り
上げられる有名な会社であり、見学者が耐えないと聞く。伊那食品は「企業は
社会を構成する人々の幸せのためにあるべき」という理念があるのだ。
リストラはない、成果主義はない、終身雇用は守られる、午前と午後には
ティータイムまであるそうだ。今までの日本企業の良さとされてきたことが
未だに良い意味で残っており、しかも業績は抜群だと言う。今の日本企業の殆どは
人がコストでリストラばかり、定年継続雇用を推し進めると新規雇用はストップ
するなんて現象も起こっており、プレストン効果と言う言葉まで出て来た。
リストラが贅肉落としにならず筋肉落としで身動きできない企業になってしまう、
成果主義の崩壊でモラールを落とすだけの会社が如何に多いことだろうか。
終身雇用は「安心して働ける」から生産性が上がるのではなかったか?
「ゆでガエル」になってはいけないが、リストラや退職勧奨におびえる組織には
うんざりするし、真剣に働く気はしない。またトップは有言実行型でなければ
ならないことは言うまでもないし、今の時代は変革が必要なことは明らかなこと
である、変革の先には社員1人1人の「気づき」がなければならない。
まさに社内が気づきにナビゲートされるような風土作りが急がれる。
そうすると指示されなくても動ける風土になるし、会社に対するロイヤリティー
も高まり、自ら考えて動く風土が生まれ「無形の力=気づき」が生まれてくる
ものなのだ。
ギスギスした職場ではなく一体感が醸成された組織づくりの突破口は全員の
ベクトルが合った時ではないだろうか。あせってはならないが、経営層は
「気づかせ屋」になりきり、上司や仲間の信頼感が増した職場が出来れば
100年に1度の危機も乗り切れるのと確信するこの頃である。
2009/11/15 07:28