厳しい経済環境下においては早期に強いリーダー育成が求められていることは言う
までもない。以前元職場では5泊6日の新入社員合宿研修を実施していたが、新入
社員7名に対して先輩社員1名をリーダーとして付けていた。班員全員の責任は全て
リーダーにあるのだ。即ちリーダーにはフォロワーが現実に存在するのである。
むしろ新入社員研修と言うよりもリーダー研修の意味合いが強かったかもしれない。
リーダーは全員の名前や顔や性格を把握し常に見守らないといけない、脱落者が
出れば全てリーダーの責任である。メンバーは飲み込みの早い人や、やや遅れる人
もおりさまざまである。画一的な指導だけでは上手く行かないケースが出てくるし、
理論の世界ではなく現実の世界なのだ。もちろん事前にリーダーには「あるべき姿
や役割」を十二分に教育はしているが習得したことと実際はなかなか上手くかみ合
わないものである。あるリーダーは相当悩んでいたので個別に話を聞いてみたら、
メンバーがバラバラでみんな自分のペースで動き統制が取れないと言う。そこで
メンバーの中で一番信頼がおける人はいないのかをたずねて見ると、こころあたり
があるようだったので、その人を自分のサブリーダーにしたらどうかとアドバイス
した。早速サブリーダーを決めたらチームの動きが良くなり全員のベクトルが合って
きたというではないか。またあるリーダーはサブリーダーを当番制にしてみんなが
経験出来るようにし上手くまとまったチームもあった。なかなか上手くいかない
チームもあったが、寝食を共にして自分の後姿を見せると最後には一体感が醸成
されるものである。リーダーのタイプには「放任」「カリスマ」「自主」などいろ
いろなタイプがあるが、その時の状況に応じて使い分けなければならない。それは
実践の場でしか習得出来ないものであり、フォロワーのないリーダー研修はなかなか
身に付かないものなのである。新入社員も入社後はリーダーにいろいろとアドバイス
を受けていたし、リーダーになった方々はその後ご自分の職場でもリーダーとして
あるべき姿を十二分に発揮され活躍されていた。
2010/01/17 08:57