人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

ブログ

2010年2月21日

指摘する勇気を持とう(ビジネスサプリメント407号)

先日電車の優先座席に座った時のこと、前の席の若い男性が盛んにメールを

していたのである。周りの視線も彼に集まっている。私は注意しようと思った

がタイミングを失してはっきり指摘出来ないようになってしまった。恥かしながら

「私が言ったところで何になる」「もし文句を言われて危害でも加えられたら」

なんてつまらない意識が働いたのが正直なところであった。そうすると彼の隣の

席の中年女性が「ここは優先座席だから携帯はだめですよ!」と言われるでは

ないか。言われた彼は「すみません」と素直に謝罪され、気まずい雰囲気は全く

なかった。その時の私はストレートに指摘する「勇気」がなかったのである。

そんな私が偉そうに言えないが、今の世の中「自分には関係ないこと」と思う

風潮が広がっているような気がする。

振り返って各職場の中を見てみたら如何だろうか。上司や同僚・仲間がルール・

マナーを守っていなければ、お互いに注意し合える風土になっているだろうか。

「うるさいことを言う人と嫌がられはしないか」が先に立ち見て見ぬふりをして

しまうような状態は非常に危険である。ましてや部門が違えば全く関心を示さず

「見ざる・言わざる・聞かざる」の職場を数多く見ている、そんなところは必ず

「あいさつ」すら満足に出来ていない。またついうっかりで気づかずにマナー

違反をしている場合も多いのではないか。公共広告に出てくるような場面は

お互いに素直に注意・指摘が出来る職場でなければ強いチームワークは醸成

されない。人間は「関心を持ってもらいたいものなのである」、無関心は一番

辛いものだ。お互いに良い意味で関心を持ち合う職場、まじめに気楽な話が出来る

職場、おかしいことは、おかしいと素直に言える職場こそ、イキイキとした風土が

醸成され、お互いにチームワーク良く生産性もアップするものである。

今のような混迷した時代、組織メンバーが「気づいたことをはっきりと言える勇気」

を持ち、「決められたマナーやルールを守る信念」が貫かれたチーム作りが急がれる

のではないだろうか。

2010/02/21 07:52

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